人気コラムニスト、ボブ・グリーンの突然の顛末ーChicago Tribune columnist is axed over personal conduct
日本でも『チーズバーガーズ』や『アメリカン・なんとか』が訳されて、ピート・ハミルとともにアメリカを代表するコラムニストとして知られるボブ・グリーン。最近、突然に24年間勤めたシカゴ・トリビューン紙を辞職した。
原因となったのは、今から14年も前の情事。当時17歳だったミッションスクールの女子高生と関係を持ったのだ。高校の学生新聞のインタビューのために、親子連れで彼をインタビューしにきたというその女子高生を呼び出し、食事の後にホテルに連れ込んだという、ま、援交オヤジと大して変わらんことやってたという話。もちろん、グリーンは妻子ある身。その時はそれで済んだが、最近になって31歳になったその女性が、しつこく連絡を取ってきたことから、不安を感じたグリーンがFBIに連絡して、話がもつれてしまったところを、ことの一部始終を記した匿名の怪文書メールがトリビューンのウェブサイトに届いた、という筋書き。
ボブ・グリーンといえば、50年代あたりの旧き良きアメリカを回想しては、きょうびの世相を嘆くという、泣きの入ったコラムがお得意。やれレーガンの時代は良かったとか、やっぱりエルビスは神様だとか、マイケル・ジョーダンはスゴイとか、要するに団塊の世代のオヤジ節が入ったコラムばっかりで、以前から田舎臭くてつまらないとは思っていた。でもまあ、世知辛い世の中だからこの程度の皮肉タレがウケるんだろーな、と。
彼の辞職についても色々意見があって、17歳という年齢はほとんどの州で未成年扱いにはならないし、そんな個人的な昔の話を蒸し返して辞めさせなくてもいいだろうというのと、有名紙のコラムニストという公的な立場を利用して、いたいけな少女をベッドに連れ込むのは明らかに職権乱用、というのと。
最近、アメリカでは教会の神父さんが信徒である未成年の少年と性的関係を持ったという事件が次々に浮上して、これじゃいかん、そういう疑いのあるヤツはみんな追い出せ、っていう強硬派と、疑いだけで追い出すのはひどい、例えば何十年も前の事件でも辞めなければいけないのか、という論争になっていて、とうとうローマ法王にまでお伺いを立てちゃったほどの問題になっている。
一方、アメリカの学校では、生徒による銃撃事件が続いた後、校内に武器を持ち込ませないようにしようということになって、お弁当のリンゴを剥こうと思って果物ナイフを持っていったら退学になったとか、理不尽な話も聞かれるようになった。
こんな風に、言語道断、問答無用、弁解の余地なし、疑わしき者はクロ、という厳し〜い措置を取ることを「zero tolerance policy」と呼ぶ。politically correctと並んで、民主主義と逆行する危ない傾向だと懸念しているのだが。
ボブ・グリーンに関しては、そういえば昔、私も口説かれたことあるわなんて女性が何人も名乗りをあげる一方で、トリビューン紙の元にはファンから彼の味方をする手紙がたくさん舞い込むなど、もう一騒動ありそうだが、本人はその後、黙りを決め込んだままだ。そのうちパンチの効いたコラムを寄稿することを期待する。









