出版界で密かに人気の劇「エンドペーパーズ」はギョーカイねたの宝庫ーOff-broadway’s “Endpapers” delivers a zinger at small press politics

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出版界で密かに人気の劇「エンドペーパーズ」はギョーカイねたの宝庫ーOff-broadway’s “Endpapers” delivers a zinger at small press politicsBooks and the City

セント・マーティンス出版元社長、トーマス・マコーマック(トーマス・ハリスの「羊たちの沈黙」の編集者として有名)が脱サラ(脱エディ?)して脚本を書いたオフ・ブロードウェイで上演中のコメディー「Endpapers」を観てきた。

あらすじ—頑固一徹の出版人、ジョシュア・メイナードの書籍出版社は、政権交代の時期を迎えていた。誰が彼の意志を継ぐ編集長/社長として抜てきされるのか、皆が浮き足だっている。かなり経営が苦しいこの版元には、銀行からもひっきりなしに債権取り立て屋が「財政を立てなおせ」とやってくる。候補者にはインテリ編集者のグリフと、経理に明るいテッド。擦った揉んだしているうちに、ジョシュアは他界。メイナード出版の未来はいかに?

って、お話としてはこれだけなんだけど、出版社関係者にとって、登場人物の1人1人に覚えがあって、あまりの辛らつさに「イテテテテ」となる。グリフは、編集者としての眼を持ちながら、出世には興味がなく、社内の勢力争いにはとんと無関心。一方のテッドは、自分より才覚がありそうなアシスタントをいじめたり、同僚の机の引き出しを漁って契約書を盗み見るなど、本じゃなくて車でも売っていた方が合っていそうな野心満々の営業マン。他の同僚編集者たちもそれぞれの思惑を抱えながら、誰を推すかで派閥を組む。

どうして自作がベストセラーにならないんだと、怒鳴り込んでくる著者やら、めちゃくちゃな自伝を売り込みに来るハリウッド俳優やら、イカレた脇役もさながら、冒頭にグリフが読み上げる投稿者からの手紙もかなり笑える。

しかし、興行的にはどうなんでしょうかね?こういう内幕ものって。私が足を運んだのはおそらく最も混むと思われる土曜日の夜だけど、2階席なんて人影もまばらだったし。出版関係者じゃなかったら、あんまり面白くないんじゃないかな? もう少し結末を書いてしまえば、社長の娘、サラが結局グリフを編集長の座に据えるのだが、グリフはあまりにもまっとうで、あまりにも儲けにならない決定を次々に下して、とうとうメイナード出版を破たんに追い込んでしまうのだ。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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