廃刊になった雑誌「トーク」と同じで、話題になってもちっとも売れない本ーJust like her magazine, Tina Brown can create a buzz, but not sales
去年廃刊になった「Talk」誌のティナ・ブラウン元編集長は最近、周りの者に「タイムの編集長になりたいわ」と漏らして失笑を買ったらしい。「そりゃ、誰だってなりたいでしょ」「器じゃないよ」というのが大方の反応。「トーク」ほど話題になりながら、一方で部数がじぇんじぇん伸びていない雑誌も珍しかった。盛大な創刊記念パーティーだの、芸能人の告白記事すっぱ抜きだの、話題(Talk)には事欠かなかったため、日本の編集者が「部数減少、広告ページ数低迷の中にあって、この雑誌は元気なんだ」という勘違いをして、いろいろと問い合わせがあった。「どうせものすごい赤字だから、広告収入だの部数だの、数字の事なんか公にしてませんよ」と言っていたのだが。
おまけにティナ・ブラウンは金遣いも荒く、衣装代だの、取材対象への法外なギャラだの、大盤振る舞いをしてとうとう出資していたハースト社とミラマックス社が降参して廃刊になったのだ。ミラマックス社はもともとハリウッド映画のスタジオだから、本や雑誌に手を出したのも、そこから映画の脚本のネタをもらおうという魂胆で「トーク」を立ち上げた。結局、今は書籍部門が残り、ティナ・ブラウンはそこの編集長ということになっている。
その出版社がイチ押しで売り出したのがシルビア・アン・ヒューレット著「Creating a Life: Professional Women and the Quest for Children(命の創造:キャリアウーマンと子供)」という本なのだが、これにはまずキャリアを優先させて子作り・子育てを後回しにした女性は不妊という大きな壁にぶち当たる、ということを数字で示してくれちゃった本なのだ。
今までアメリカ人女性は「まる高」も何のその、30になろうが、40になろうが子供は産める、だからまずは仕事、と出世街道をばく進してきた。それが、40過ぎたら妊娠する確率は3〜5%とか知らされて、じゃ、どーすればいいの?っていえば、仕事を優先させる前にさっさと相手を見つけろだの、妊娠中も働かせてくれる会社を見つけろだの「今さらー」なアドバイスばっかり。
このショッキングなニュースはテレビや雑誌に大々的にとりあげられ、論争を巻き起こしたが、肝心の本は刊行から2ヶ月経った今もちっとも売れていない。初版3万部のうち1万部も出ていないという報告もある。早くも2002年出版界最大のミステリーになりつつあるらしいが、つまるところ、女性にとって全然嬉しくないニュースの詰まった本を誰がわざわざお金(定価22ドル)を出して買いたいか、というのが理由らしい。









