夏も終わってブックフェアや文学賞が目白押しの秋到来ーWith summer’s end, fairs and awards are lined up for the fall


まだまだ秋のことを考えるには気候も暑すぎ、時期も早すぎ、といった感じですが、出版業界ではそろそろ関係者の頭の中は秋一色に染まっているようです。

まずは年1度の最大規模のブックフェアが毎年10月にフランクフルトで行われるので、その準備も大詰め。どの出版社も来年刊行予定の超目玉タイトルを揃え、この場でお披露目をするのです。今から商談の申し込みをしても、スケジュールがビッシリだと断られるぐらいですし、会場周辺のホテルに至っては半年も前から予約を入れておかないとどこも満員か、平常の倍値段を取られる、ということも珍しくありません。

9月になれば新学期も始まり、「読書月間」と称して全米各地でイベントが行われます。私も毎年楽しみにしている9月最終週の「New York is Country」フェアが催されます。皆さんも著者のサイン会や五番街でのフェスティバルに足を運んでみてはいかがでしょう? 

そして10〜11月にかけては、アメリカの全米図書賞やイギリスのブッカー賞の候補作品が出揃い、誰のどの作品が受賞するのか、また業界がてんやわんやするというわけです。それに先駆けて、9月3日にはNYのジャパン・ソサエティーで野間文芸翻訳賞のレセプションがあります。これは日本の本を他の外国語に翻訳したものの中から優秀な作品を選び、翻訳者の功労を称える賞で、英語と英語以外の言語を1年ごとに交代して作品を選びます。14回目を迎える今年の言語は英語で、受賞したのは村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を手がけたジェイ・ルービン氏。ハーバード大学で日本研究の教授を務めるベテランです。

このコーナーでも何回か日本の作品を海外に紹介することの難しさを伝えてきましたが、英語の本を日本語に翻訳する人々比べれば、日本語から英語に翻訳できる力量を持つ人材がまだまだ少ないことも一因でしょう。バブル経済の頃、JETプログラムや日本にある英語塾で大勢の人が日本で暮らしていましたが、いったい何人の人が英語を教える傍ら、日本語を覚え、翻訳できるまでになって帰っていったのでしょうね?

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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