外国の事情を知るのにはやっぱり読書が一番

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外国の事情を知るのにはやっぱり読書が一番Books and the City

居ながらにして世界中の人の考え方や価値観を読み解ける、違ったものの見方が世の中にはあるのだと確認できる、それが読書の醍醐味の一つだと思いませんか?

先月発表された全米書評家協会賞で、最優秀フィクションにイギリス作家イアン・マキューアンの「Atonement」が選ばれました。文章の持つ破壊力を描き出した、いかにもイギリス人的な作品で、本人もアメリカでこんなに評価されるとは思わなかったとコメントしていました。

自分の国が世界一と思い込むあまり、海外旅行もしない、他文化をよく知らない傾向のあるアメリカ人ですが、「洋書のススメ」でも紹介したロバート・ケーガンがヨーロッパ情勢を解析した本が売れています。なぜ自国の外交政策に反対する国があるのか、国民が自ら知ろうとしていることの現れだといいのですが。

一方、日本では、ドキュメンタリー監督として知られるマイケル・ムーアの「アホでまぬけなアメリカ白人」がベストセラーとなっています。同時にムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」では、なぜアメリカが銃社会であり続けるのか、社会の根底にあるのは何なのかをテーマにした興味深いドキュメンタリー映画です。

原題はそのままStupid White Menと言い、9月11日のテロ事件直後、愛国心が問われる風潮の中、ブッシュ政権を真っ向から批判し、権力を握る者の矛盾と偽善をユーモアたっぷりに綴った反骨精神に溢れた1冊です。他のマスコミでは感じられない、少数派の声だとも言えます。

この本、イギリスでも人気サッカー選手の自伝や、ブッカー賞に輝いて「Life of Pi」を押しのけ、「今年の最優秀本」賞を受賞して世間をアッと言わせました。この賞、今まで業界関係者からなる審査委員会が選んでいたのが、今年は一般読者の投票で選んだということです。

それでは反対に、「知られざる日本」を世界の人にもっとよく知ってもらうにはどの本を翻訳するのがいいのでしょうね? あなたが今一番アメリカ人に読んで欲しいと思う本は? やはり、戦争の悲惨さを語りかける1冊でしょうか?

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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