アメリカ人作家もブッカー賞の対象になると、審査員が大変?


アメリカで栄えある文学賞といえば、全米図書賞やピューリッツァー賞があるように、イギリスにはブッカー賞があります。ブッカー賞の場合、対象となるのはイギリスだけではなく、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、スリランカといった連邦諸国も含みますが、同じ英語で書かれていても、これまでアメリカ人作家は候補に入っていませんでした。下世話な話をすれば、全米図書賞の賞金が1万ドル(約125万円)、ピューリッツァーが5000ドル(約75万円)と比較的少額なのに対し、ブッカー賞はこれまで2万ポンド(約365万円)となっています。

それがここにきて、ブッカー賞に新しくスポンサーが付くことになり、賞金が一気に5万ポンドになることに。このスポンサーがアメリカ人の大口投資家を顧客とする団体だということも無関係ではないのでしょうが、ブッカー賞の審査委員会のメンバーの1人が2004年までにはアメリカの作家も対象に入れる、などと漏らしたことから、文学の英米論争にまたしても火がつくことになりました。(またしても、というのは、今までにもさんざん論議されてきたテーマだから)それというのも、別の審査員である英文学の教授が「イアン・マキューアンやマーティン・エイミスなど、絶頂期のフィリップ・ロスなどに遠く及ばない」という発言をしたからです。

物理的に考えても。毎年100冊以上の候補作品に目を通さなければならない上に、アメリカの作品も加わるのでは無理だという気もしますが、過去にブッカー賞を受賞したサルマン・ラシュディー、J・M・クッツェー、アルンダティ・ロイらは、ブッカー賞に「アメリカ文学」という部門を設けたらと言っています。

競争するようなことではないでしょうが、双方の作家にとってもいい刺激になるのでは。

written by

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
Related Posts
© Copyright - Books and the City - All rights reserved.