アメリカの本と日本の本:大きさとお値段の比較


日本とアメリカの本を比べてみると、新刊にしろ、文庫にしろ、やっぱり米国製が一回り大きくて、かさばるという印象がありますね。突き詰めれば、おそらく体格の差とか、通勤電車の混雑具合の差うんぬんとなるのでしょうか。こっちでは新刊の分厚い表紙のものを「ハードカバー」、それより一回り小さくてペラペラの表紙のものを「トレード・ペーパーバック」、そして少し縦長で分厚く、手の平サイズの本を「マス・マーケット・ペーパーバック」と呼んでいます。

こっちでは通常上・下巻に分けないので、時には800ページを超える大作もありますが、トム・クランシーやジョン・グリシャムの最新作なら何百ページあろうが、どんなに重かろうが、ファンは持ち歩いて読みふけっています。

空港やスーパーのスタンドでも売られているマス・マーケット版は、同じペーパーバックといっても日本の文庫本に比べると、印刷も髪質もかなり劣る酸性紙のため、すぐ黄ばんできます。消耗品、と割り切って読まれているのか、背表紙をぎゅうぎゅうと押したり、その日読む分だけをちぎって持ち歩く剛の者も見かけます。

日本の新書ではあまり見かけない装丁に「フランス装」というのがあります。ハードカバーの本、それも純文学系の本に多いのですが、ページの端の部分が裁断されておらず、ギザギザで不揃いのままになっていますが、これは裁断し忘れたわけではありません。ヨーロッパでは昔の本が一章ごとにその部分がつながったまま市販され、読む人が少しずつペーパーナイフで切って読んでいた時代の名残だといわれています。(日本では今や、全く違う目的のために、一部が綴じ込みになっている週刊誌がありますが。)

こんな風に紙の「質」で見てみると、日本の本に軍配が上がりそうですが、ひとつだけ、日本の本が逆立ちしてもかなわない、やけに丈夫な本がアメリカにはあります。何だか分かりますか? お子さんがいる家庭なら分かるでしょう。実は、こっちの教科書は生徒1人1人がもらえるモノではなく、改訂版が出ない限りは持ち回りで何学期も使われるため、分厚くて頑丈な重装備装丁(?)になっています。そういう理由もあるせいか、最近、肩こりを訴える小学生が増えていると聞きます。反対に日本の教科書はさらに薄くなったそうですが…。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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