面白いと思う本は十人十色、推薦するのはムズカシイ


こういうコラムを書いていながら矛盾しているようですが、実は「何かおもしろい本ない?」というのが、私が一番恐れている質問です。どんな本を読んで「おもしろい」と感じるかは人それぞれ、正に千差万別なので、この質問に答えるには、その人が好きな作家、興味のあること、できれば今までの人生について根ほり葉ほり聞いた上で「アナタにはこの辺りがおもしろいんじゃないかな?」ぐらいのことしか言えないからです。

個人的に嫌いな本なら、いくらでも挙げられるんですけれどね。「〜な人、〜な人」と他人をカテゴリーにあてはめるだけの紋きり本、最後まで読んでも犯人がわからない複雑なミステリー、ネタが尽きてる売れっ子作家のシリーズもの・・・。
というわけで、どうしてもおもしろい本はどれかという質問に返事をしなければならない場合は、とりあえず「売れ筋」の本をあれこれ挙げていくことにしています。売れている、ということは、それをおもしろいと思った人が多い、つまり最大公約数が大きい、ということですから。

この欄で紹介している本も、普通の書評なら「この本は(私には)おもしろくなかった」ですむものを、「オススメ」と書くからには私にとって多少なりともおもしろくて、これならOCSニュースの読者に手にとってもらってみてもいいんじゃないかな、という本が見つかるまで探さないとイケナイので、けっこう大変です。これで編集部には「読んでみたけど、おもしろくなかったよ」なんて声がたくさん寄せられていたとしたらガックリくじける、と思われるかも知れませんが、前述の通り「人それぞれ」という意識があるので、全然平気です。(意地っ張りな性格です)

だからアナタが本気でおもしろい本に出逢いたい、と思えば、自分で試行錯誤(=本屋で立ち読み?)して1冊ずつ探していくしかないのだ、と思っています。

インターネットが普及して、いろいろな娯楽が氾濫している今の世の中ですが、人ひとりの人生を変えてしまうほどのインパクトがあるメディア(ム)は、やっぱり本しかないと思うのですがいかがでしょうか? ちなみに出版界では「誰が読んでもおもしろい」本のことをholy grail(聖杯)と呼んでいます。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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