2000年を振り返って:今年のベストセラー


去年の今頃から始った「ブックトーク」、初回は1999年のベストセラーとしてJ・K・ローリングの「」シリーズを取り上げましたが、2000年を振り返ってのベストセラーはやっぱり「ハリポタ」。去年は日本でも人気に火がつきました。映画化も決定、既にハリーグッズが店頭に並んでいるのを見るとその人気は一目瞭然。

「洋書のススメ」で紹介した本がその後翻訳されて日本でもベストセラーになったものもいくつか(えっへん)あります。S・ジョンソンの「チーズはどこへ消えた?」やR・キヨサキの「金持ち父さん、貧乏父さん」など、わかりやすい人生訓、経済論の中には洋の東西を問わず読者の琴線に触れるものがあるようです。海外の純文学としては珍しく、新人作家のJ・ラヒリ著「停電の夜に」も日本で健闘しています。

「ハリポタ」以外の全米ベストセラーを振り返ると、常連の売れっ子J・グリシャム、T・クランシー、P・コーンウェルらに混じり、異色を放っていたのが新人D・エガースの半自伝(?)A Heartbreaking Work of a Staggering Genius(「よたよた天才の悲しい生き様」とでも訳しましょうか)と、聖書の登場人物(といっても脇役)ダイナが生きた時代をフェミニズムの観点から見直したA・ディアマントのThe Red Tentの2冊でしょう。両方ともペーパーバックになっていることもあり、これからでも上級読者に挑戦してもらいたい作品です。

一方、ノンフィクションで気になったのがジワジワと売れていたJ・ブラッドリーのFlags of Our Fathersで、これは硫黄島の戦いを描いた回想録です。今年は真珠湾攻撃もハリウッド映画になるなど、新世紀になったからといって過去の戦争が葬り去られるものではないということを思い知らされる気がします。むしろ、積極的に過去の歴史を見つめ直すことによって、今日本がいる長く暗いトンネルの先にも光が見えてくるのかも知れません。今年はアメリカもそのトンネルの突入する前に・・・。

written by

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
Related Posts
© Copyright - Books and the City - All rights reserved.