ベストセラー小説を映画化してもヒットにならないわけは?


ベストセラーになった本はほとんどといっていいほど、それを原作にハリウッドで映画が作られます。、ジョン・グリシャムの売れっ子御三家の場合は、新刊が本棚に並べられるずっと前からメジャーな映画スタジオの間で映画化権の取り合いになります。この3人は映画化に当たってキャストの選考や脚本の内容にまで口出しできる特別な存在です。逆にマイケル・クライトンやケイ・スカーペッタシリーズのパトリシア・コーンウェルのように、口出ししすぎて思うように映画化が進まなかったりする場合もありますが・・・。基本的には作家が映画化権を売った時点でその後どんな映画が作られようと口を挟むことはできません。

ジャックリーン・ミッチャードの“The Deep End of the Ocean”,フランク・マッコートの“Angelaユs Ashes”、デイビッド・グターソンの“Snow Falling on Cedars”、セバスチャン・ユンガーの“The Perfect Storm”そして忘れちゃいけないのがロバート・ジェームズ・ウォラーの“Bridges of Madison County”のように、それまで無名だった作家の本がジワジワと売れてベストセラーになった場合、映画化権は雀の涙程度の額(数万ドル)でとっくの昔に売られていた、というケースがほとんどです。

原作を読んで感動した本に限って、銀幕で観るとなぜか裏切られることが多いのが不思議です。もちろん、数百ページもある作品を2時間足らずの映像にしてしまえば、割愛しなければならない部分が多くなるのは否めませんが、それでも製作側が「これも入れたい、あれも入れたい」と欲張って結果的に焦点がぼやけた作品になってしまうからでしょうか。本と映画は別もの、と割り切ってみると、スクリーン上でもページ上でも名作と呼べるものは『風邪と共に去りぬ』といったクラシックから、最近ではジョン・アービング原作の“The Cider House Rules”も評判はまずまずでした。 

アーサー・ゴールデンの“Memoirs of a Geisha(『さゆり』)”やJ・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズも来年には銀幕デビューが予定されていますが、どうなることやら。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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