野外ステージとブースが立ち並び大賑わいを見せたブルックリンの本祭りーat the BROOKLYN BOOK FESTIVAL, Sept. 14, 2008


今年で2回目となるブルックリン・ブック・フェスティバル。エッジーで元気な小出版社がブースを出していたり、地元に住む作家の皆さん(最近はマンハッタンより多いんじゃないかという気がする、家賃が高すぎて住めないのか)がサイン会だの、座談会だので読者サービス。

フィクションでは、ジョナサン・レイサム、テリー・マクミラン、ジョナサン・フランゼン、ジョーン・ディディオン…すげー、豪華オールスター。ノンフィクションではナオミ・ウルフ、ジミー・ブレスリン、ピート・ハミル。わお。(Photo by: keenduck)

かなり期待して行ってみたはいいが、いきなり真夏のような陽射しが耐えられず、野外ステージでの催しは早々に挫けました。一つだけ、粘ったのがアメリカの若手漫画家(Adrian Tomine、日系人かな?)と小説家(John Wray、若いのに渋い歴史小説書くんだけど、これはしばらく売れなさそう…)が、それぞれ影響を受けた海外の作品(本に限らずアートでも音楽でも)を語り合うステージ対談。

日本側が、このマンガ家は海外でも売れて欲しいと思いそうな人たちとは全く違って、つげ義春とか、辰巳ヨシヒロなどの名前が挙がっていました。マンガ家、というよりはフラフィック・アーティストというくくりでしょうね。渋いというか、暗すぎるというか。

最後にちらっと、ジョン・ウレイが「今までで一番の思い出は、村上春樹と古レコード屋めぐりをしたことかな」と言ったので「え? どこに接点が?」と思ってたんだが、家に帰ってググってみたら、数年前にパリス・レビュー誌の「作家が語る」シリーズで、当時アメリカにいた村上春樹氏をインタビューしたのがデビュー間もないジョン・ウレイだったってわけ。そのインタビュー記事、読んだことあるぞー…ってんで古いパリス・レビュー誌を引っ張りだしてきたら、ありました。

2004年夏号(#170)。「パリス・レビュー」はジョージ・プリンプトン(私にとってニュージャーナリズムの旗手としてスポーツ界を新しい切り口で見せてくれた人。女優マーサ・プリンプトンの父、って方がわかったりして)が発起人となって53年から続いている文芸誌です。この世界じゃ老舗。

そこに毎号、数人の作家との対談インタビューがあって、創作活動の過程にかなり突っ込んだ内容になっているので、自分が気になる作家が出ている号はついつい買ってしまいます。(というのも、立ち読みで済ませられる長さ/深さではないので。)途中、インタビューする側の人の名前は出てこないので、ジョン・ウレイと聞いてもピンと来なかったんだけど、これは絶対に純文学系の若手作家が書いているな、という印象だったのを覚えています。

村上春樹の自筆原稿が見開きで載っているし、写真はジャズクラブPeter Catの頃のものだったりして、ある意味貴重な資料かも。春樹さんって普段はマスコミに出てこないし、ここまで突っ込んだ質問ができる人もそうそういないだろうし。

 
一方、こっちはキャンプファイヤーの後の残り火のような淋しい本の祭りーNEW YORK IS BOOK COUNTRY, Sept. 21, 2008

9-11のゴタゴタの中で縮小/取り止めになっていたマンハッタンでのブックフェア。毎年著名なイラストレーターがデザインするポスターが好きで、楽しみにしていたのですが、五番街からセントラルパークに場所を移して復活。だけどイベントはほとんどなくて、ブルックリンに水をあけられた感じで淋しいなぁ。

公園の一角にブースが淋しく並んでいるだけだった…最盛期の頃の写真でも見て憂うとするか。っつーか、一週間空けてマンハッタンとブルックリンでブックフェアが続くのがいけないのでは? これじゃどうしても来年もブルックリンに行こうという気になってしまう。

昔のNew York is Countryの様子です。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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