スーザン・ソンタグが亡くなって、何だかみなしご気分ーFeeling like an abandoned child after Susan Sontag’s passing
大晦日も目前の28日、学生の頃から敬愛していたスーザン・ソンタグが 急性白血病で逝去したというニュースを耳にした。翌日のNYタイムズには丸々1ページを割いた死亡記事が載せられ、その冒頭部分は連日のスマトラ沖大地震 の津波被害を伝えるニュースに混じって、堂々と1面トップに並んでいた。いかにエスタブリッシュメントのエリートたちが彼女を崇めていたかが伺い知れるよ うだった。
結局、イラクのアブグレイブ収容所での捕虜虐待写真が後世でどのような意味を持つかを論じたあのエッセイが遺作になったのだ。
ひょっ として、ソンタグはブッシュ再選を悲観して、アメリカの未来に失望して、だから逝ってしまったのではないか、そんな気がしてならない。ソンタグがあの特有 の低い声で「まったく、いくら言っても、私の言うことが理解できないバカばっかりで、疲れてしまうわ」と、眉間に皺を寄せ、首を振り、ため息をひとつつい て、旅立ってしまった気がする。そして、自分がそんな世界に置いていかれてしまったかのような気がして、やたら淋しいのである。まるで見捨てられた孤児のように。
最近、とあるウェブサイトで「タダで貴方のIQを判定します」というページを見つけて「あー、めんどくさー」と思いながらも 結局最後まで、クイズのような問題をいくつも解いて、生まれて初めて自分のIQというものを計ってみたのだが(ふふふ、でも結果は教えなーい。)、ソンタ グのような人だったらこんな問題はお茶の子さいさい、それよりニーチェとポップカルチャーとサラエボ問題を同時に論じられてこそ、インテリってもんよ、っ てな具合なんだろうか。彼女の死で、タダでさえ低いアメリカの平均IQがさらにちょこっと落ちたのではあるまいか。
今、テレビを付けると、どの局でもお決まりのように今年亡くなった人たちを偲ぶコーナーが流れている。マーロン・ブランド(俳優)、レーガン前大統領、クリストファー・ リーヴ(俳優)、ジュリア・チャイルド(料理研究家)らの名前が挙がっているが、既に編集が終わったものを流しているだけと見えて、スーザン・ソンタグ と、彼女の翌日亡くなったジェリー・オーバック(俳優、人気ロングランTV番組Law and Orderの刑事役や「ダーティー・ダンシング」の父親役で知られる)が入っていないので、なんたる不手際か、ちゃんとソンタグの映像を入れて再編集しろ、とやり場のない、お門違いの怒りを抱えながら年を越すことになってしまった。









