ロンドン文学散歩 その2 ソーホー


ブルームズベリー地区はTottenham Court Roadの地下鉄駅から北に行ったところにありますが、今度は反対側、いつも賑やかなオックスフォード・ストリートの南側をば。実はブルームズベリー出版社もこっちのソーホー・スクエアに面したビルに入っています。『ハリ・ポタ』でかなり潤ったので、いつまでここにいるつもりなのかはわかりませんが。

大手総合エージェンシー(本の著者に限らず、テレビや映画のタレントも扱っているところを総合エージェンシー、著者中心のところを文芸エージェンシーと呼ぶことにしています)であるICMのロンドンオフィス(書籍のみ、本社はもちろんハリウッド)も、こういった小洒落た建物に入っていて、オフィスというよりも、どこかの家で仕事しているみたいで、蛍光灯に照らされたモダンな高層ビルよりも、こういう雰囲気の方が私は好きなんだけどなぁ。

ソーホースクエアの南側に伸びているGreek Streetを歩くと、左手に見えてくるのが写真のThe Pillars of Herculesというパブで、ディケンズの『二都物語』に出てくるHercules Pillarというパブのモデルとされているところ。で、ヘラクレスの柱ってなに?という人のために付け加えると、ジブラルタル海峡の端っこにそびえ立っている岩は、ギリシャ伝説ではヘラクレスが2つに引き裂いたという話があって云々、という話。

この界隈にはユニオン・クラブとか、グラウチョ・クラブとか、出版社がパーティーを催すクラブがいくつかって、ブッカー賞が発表される夜には、候補作の出版社がとってもとれなくてもとりあえずみんなで騒ぐ、という楽しい街です。全米図書賞は、こんなに話題にならないし、オッズ付きの下馬評も出ないし、どこもパーティーなんてやらないので、ちょっぴりこれは羨ましいかも。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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