ロンドン文学散歩 その1 ブルームズベリー地区 Bloomsbury(続き)


そして大英美術館の向かいにあたるラッセル・ストリート界隈には、神保町ほどではないにしろ、古書店があちこちにあります。美術館内を回るだけでもけっこう疲れるものですが、こういう本屋さんを覗くのも同じぐらいわくわくします。なんと言っても建国200年そこそこのアメリカと違って、ロンドンだと「古書」といえば、マジ古い。数世紀もの前のディケンズやらキーツやら、美術館の中にあってもいいんじゃない?

初版がどうのこうのということにこだわらないのであれば、そこそこ手の出るお値段で歴史を感じさせながらもきれいな装丁の『嵐が丘』や『ジェーン・エア』が手に入りますよ。元文学少女を気取るのなら、こういうの何冊かは手元に置いておきたいですよね。
さて、Great Russell StreetからSouthampton Rowを左に曲がると、ラッセル・スクエア・ガーデンの向こうに、Faber & Faberという出版社があった洒落たビルが見えてきます。

ここは1925〜65年の間、T・S・エリオットが勤めていた版元で、一番上の裏の部屋を自宅アパートとして使っていたこともあるとか。その横の道を抜けるとロンドン大学のキャンパスになっているのですが、今度はGordon Squareという小さな庭園があって、ヴァージニア・ウルフもこの周りを取り囲む家々の住人でした。だけど、なぜか例の青い丸が見つからなくて、これかな?と思ったのは経済学者のケインズのものでした。
この角を曲がったところのTavistock Hotelはヴァージニア・ウルフが夫とともに暮らし、Hogarth Pressという版元を立ち上げた場所です。(写真は失敗しました、うえ〜ん)

気を取り直して(?)角を曲がって次の通りまで歩くと、今度は右手にディケンズの名を配した青い丸が。まぁ、ディケンズさんは引っ越し魔だったみたいで、ディケンズゆかりの建物は市内のあちこちにあるのですが、この場所も今は大きな病院の建物が建ってしまっているので、ディケンズファンは近くの Dickens’s House Museumへどうぞ。彼がここに住んでいたのはほんの数年らしいのですが、その間に『ピックウィック・クラブ』『オリバー・ツイスト』『ニコラス・ニックルビー』を次々に書き上げています。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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