ロンドン文学散歩 その1 ブルームズベリー地区 Bloomsbury


ロンドン市内で出版社やエージェンシーが集まっている場所といえば、ブルームズベリー地区。大英美術館の裏手にあたるところに位置しているのが、写真の Bedford Square。80年代までは、ジョージア風の小さな公園をぐるっと取り囲むこの建物の多くにHodder & Stoughton、Bodley Head、Jonathan Cape、Chatto & Windusといった出版社のオフィスが入っていました。今は名前こそインプリントとして残されていますが、みんなどこぞの大手出版社に吸収されてしまいましたね…。でも、この辺りを散策していると、いきなり同業者にバッタリ出会ってビックリすることも。

大手のアンドリュー・ワイリーの事務所もここですが、昔ほど密集している印象はありません。どっちかというと今「ブルームズベリー」と聞けば、イギリス屈指の出版社の名前になっています。「ハリ・ポタ」の版元、といえばピンとくるかしら。でも今ブルームズベリー出版社はここからもう少し南に行ったところにあります。元々、名前の由来は 13世紀にこの辺りの土地を所有していたブレマンドという地主様から来ているらしいんですが。

『ゼンダ城の虜』のアンソニー・ホープは、ここの41番地に住んでいました。詩人のロバート・ブリッジも昔、母親とこの通り(52番地)に住んでいた時に「ロンドンの雪」を書いたとか。それより、有名なのは自由党議員フィリップ・モレルの妻、オットリーン夫人がお気に入りの作家やアーチストを招いてサロンやパーティーを催したのが44番地。バージニア・ウルフやヘンリー・ジェームズもおよばれしたらしい。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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