私のお仕事:エージェントお百度参り


5年目に突入した私のお仕事。こっちの書籍出版業界の人ならtitle scoutと言えばすぐにわかってくれるけど、それ以外はダメ。編集でもないし、アクイジションって言っても通じないし、同業者の日本人は全くいないし…。

いったい何やってるの、あの人?って思われてるかも。

というわけで、私の日常を紹介。

朝起きて、メールをチェック。日本の本社にいる編集者から色々なリクエストが入っている。この本の日本語版を出したいけど、版権は誰が持っているのか調べてくれ、っていうのが中心。後は原稿や企画書を読みたいとか、映画化の話はどうなっているとか、アメリカでどのぐらい売れているのか、とか。

業界誌や専門サイトをチェックして、米本社の編集会議に顔を出したり、エージェント回りをして、ひたすら本の情報をいち早く掴む。今、話をしている本は、こっちでも刊行が1年後、日本で翻訳版が出るとしたらさらにその後数ヶ月。

今日は、業界最大手のエージェンシー、ウィリアム・モリスに行ってきました。ここは著者だけでなく、映画やテレビ、舞台俳優にスポーツ選手のエージェントもやっているので、事務所も大きいし、なんとなくイメージも派手。

吹き抜けのオフィスを歩き回るアシスタントっぽい子たちも痩せてて(ここが出版界一般と違うとこ)可愛い。メッセンジャーが映画の台本とおぼしき書類を取りにくる。女優の卵みたいな人もやってくる。一番おかしいのは、いつアポの時間通りに行っても、誰とのアポでも、誰が行っても(あまりにも不思議なので他の人に訊いてみたら同じだと言っていた)15分ぐらい待たされること。なぜ? アポの時間は事前に決めてあるし、今の今まで何かで忙しかったわけでもなさそうなのに? 「しばらく待たせる」のがここのカンパニー・ポリシーとか? 今回はこの空白の15分を有効に利用するべく、デジカメを持ち込んで写真を撮ってみました。

翻訳権担当の人たちとはブックフェアの度に顔を合わせているので、しばし世間話をしてから、本題に入る。くだらなーい話で盛り上がる。今回はオーストラリアまでの飛行時間と、パリス・ヒルトンの罪状について。

「今回うちのイチ押しはね、これよ」といって、説明を受けたのはRHETT BUTLER’S PEOPLEと題された『風と共に去りぬ』の続編の続編。マーガレット・ミッチェル財団のお墨付きで、レット・バトラーの視点から書かれたストーリーだという。そういえば、先週NYタイムズで読んだな。既に(原稿も待たずに)ヨーロッパの数カ国分版権が売れ、アメリカではこの秋にSt. Martin’s Pressから刊行。アドバンスが450万ドルだって。初版も100万部は刷るでしょうね。日本でも出るだろうけど、うちの本じゃないな。そんなにアドバンス出せないし。パス。

それより気になるのがTHE WHITE TIGERというフィクション。スラッシュパイルからの拾いものとか。インドで一番下のカーストから成り上がったビジネスマンが江沢民に宛てた手紙という形式で書かれている。今や経済的に勢いのあるこの2つの国の実情が描かれていて面白そうだ。

個人的に読んでみたいのはTHE ART OF CONVERSATION。パーティーなどで人と話すときのコツを説いたハウツーもの。私もこうやって業界の人たちと話をするのなら、苦にはならないけれど、パーティーは苦手だから。

こんな感じで今週いっぱいはブック・エキスポに向けてエージェント参りが続くのでした。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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