アメリカでアニメやマンガが売れなくなった本当の理由—Too much expectations and not enough marketing lead to manga slump in US

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アメリカでアニメやマンガが売れなくなった本当の理由—Too much expectations and not enough marketing lead to manga slump in USBooks and the City

なんでアメリカでここ数年、マンガやアニメの売上げが落ちているのか? 輸出する側の日本の会社にとっては死活問題にも近いと思う。ナゼなのか知りたい?

いつも好き勝手に(汚い言葉で)書いているブログだが、時折「これって業界の人にとってはすごく貴重な情報だと思うんだけどな〜、タダで書いている私は偉いな〜、せめてマジメに読んで実際に役立てて欲しいんだけどな〜」と思うことがある。

自画自賛じゃないけど、私は出版業界の仲間たち、つまりこっちの現場に身を置いている人たちから、直接「同じ業界のプロの人」として内輪話を聞いているわけだからね。そしてアメリカのマーケットの中にドップリ浸かって、一消費者として何が人気あるのか、どういうモノがウケるのか、つぶさに見ているし。

しかも、アメリカ人には「???」な日本的な思考や行動パターンや、そのバックボーンを成す日本文化も痛いほどわかる。そして誤訳、誤解のない情報を日本語で供給できる。日本のマスコミから記者がやってきてちょこっと取材したぐらいじゃわからないこともあるしね。(私が時折、ツイッターで怒っているのは、万事テケトーなことを書いた記事が目に付くからだ。そいつらの購読者数を考えると、頭くるからだ)

*                   *                  *

ポケモンが98年に大ブレーク、2002年にジブリの『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞をとったことで、アメリカでも「日本のマンガやアニメがクール!」という風潮は確かにあった。日本の方も「へぇ〜、けっこう意外なモノがウケるんだ」という驚きもあっただろう。

とりあえずマンガに限定して話をすると、2007年の年間総売上2億1000万ドルをピークにここ数年落ちている。リーマンショックの前だから、アメリカの不況とは関係ない。なんで売れなくなっちゃったの?とアメリカ人の人に理由を訊けば、こういう答えが返ってくるはずだ。「The market is over-saturated.」

これを日本人の人にもっとわかりやすく説明すると、アメリカでも日本みたいに老若男女がマンガを読むのがあたりまえ〜になるんじゃないかと最初から期待しすぎた。どういうマンガが売れそうなのか調べもしないで、日本で一般書を出している感覚で「とりあえず色々ちょこっとずつ出してみた」のが裏目に出た。「マンガブームが起こるんじゃないか」と錯覚した、ということなのだ。ぜーんぶ、日本の供給側の責任だよ、ハッキリ言って。

まず、そもそもアメリカ人にとって初めて見るmangaがどういうものだったかを説明する。アメリカでコミック、といえばDCやマーベルが出しているスパイダーマンやスーパーマンといった、ヒーローものが中心で、読者対象は男の子が中心だった。ぶっちゃけ、コミックは子供が読むモノ、だったわけ。

しかもこの「アメリカ人の男の子」というデモグラフィック、一番お金を使わない消費者層なんである。アメリカでティーンエイジャー向けにオモチャかゲームか、本が売れている、って場合は、その人気を支えているのは女の子の方なのだ。なにせ、彼女たちの方が若いときからベビーシッターをしたりして、男の子が買い食いしている間にしっかり貯金して、好きなモノにお金を使うのである。

そして、アメリカでいうYA、ティーンエイジャー向けの本も、女の子に支えられているジャンルになる。今、こっちでは「トワイライト」シリーズがいま馬鹿ウケしてて、大人まで吸血鬼ものの読み物にドップリはまっているけど、これはそもそも「ハリポタ」を10歳前後の時に読んだ女の子たちが、少し大きくなって淡い初恋なんぞを経験しているときに来たブームで、来るべきモノが来たというだけの話なんだよね。

だから、アメリカでマンガを出そうとする版元は、まず、男の子向けのマンガじゃなくて、女の子向けのタイトルをしっかり吟味して出していた。ちゃんと女の子たちが買えそうな値段に設定し、女の子に人気のあるメディアで宣伝して、ファンを育てていったと言える。

なのに、日本のマンガ供給側と来たら、少女マンガが売れるんだ、へぇ〜、なら少年ものもいけるンじゃん?と雑誌の少年ジャンプまで出す勇み足ぶり。あのねぇ、男の子はヒーローもののアメコミを読んでいると言ったでしょ? それと市場で競合することになるってわかってた? そもそも、お小遣いだって大して持ってないんだよ。

そこで、日本は考えた。大人向けのマンガだっていいのがあるじゃん?大人ならマンガ買うぐらいの金も持ってるだろ?とばかりに今度は週刊モーニングに連載されてそうなマンガをジャカジャカ出してみたわけだ。でも、大人のアメリカ人にとって、コミック=子供が読むモノ、という刷り込みがあるので、そんなに急にはムリだったんだよねー。日本の「グラフィックノベル」と位置づけるのならどうしてもニッチ的な、アングラな広がり方しかないのに。

アメリカの出版社は、少女マンガが受け入れられたので、この読者がどんどん大きくなって大人になっても読めるマンガが途切れないように、少しずつ読者といっしょに成長しよう、そして少年は、まずアニメで売れたものの原作からスタートさせようっていうスタンスだったのにね。

しかも少女モノといっても、日本には萌え系、つまり大人が少女キャラを愛でるジャンルがあるわけだけど、性的表現に関しては厳しいアメリカのマスコミのことを全然わかっていなくて、いきなりビニ本にされてたりとかw。せっかくアメリカが、少女マンガ出しましょう、とコンテンツ探しているのに、いきなりエロマンガに出くわしたりするわけだ。そりゃ、引くだろ。

他にも問題は色々ある。例えば、日本ではまずマンガ雑誌に掲載されてから単行本になるので、どのぐらいの人気がある作品なのか、どのぐらいの部数が捌けそうなのか見当が付けやすい。だけどアメリカにはマンガ雑誌というものがないので、いきなり単行本が出る形になる。それに日本は「下手な鉄砲」方式で、なんでも手当たり次第に出してみて、人気が出なければ数巻で打ち切り、ということをやったわけだ。

これってヒドくない? どんなに売れなかったタイトルでも、何百人も買ってみた読者がいるんだよ。それがけっこう好きだったかもしれないのに、出版社側の勝手な都合でいきなり、続きが読めなくなる。後は日本語でドーゾ、ってか? そんなことされたらどーよ? もう買わない、って思うようになってもしょうがないでしょ。

しかもそんなに急にタイトル数だけ充実させたって、書店だっていきなり棚を用意するわけにはいかないってことぐらいわからない? マンガが売れるのはわかっていても、どの棚を削るか、書店だって必死に悩みながらやってるんだよ? しかもマンガは立ち読みでさらっと読まれやすい商品だから、棚に人が集まってても肝心の売上げにつながらない、ってこともあるしね。

これは間もなく刊行予定の拙著にも書いたことだけど、確実に伸びていくジャンルやカテゴリーがある場合、ちゃんとその伸びしろに合わせて育てていかなくちゃ、育つものも育たないんだよね。何を期待しているわけ?ジャックの豆の木? もし、この先、電子書籍が日本でコケるようなことがあれば、それはマンガと同じ間違いを犯したってことになるから、そこんとこ、心しておくように。

ということで、なんで売上げが落ちているのか?という問いの答えは、「ちゃんとマーケティングをしなかったから」ってことに尽きる。アメリカでマンガを売りたいのなら、どの層のアメリカ人がどんな本を読んでいるのか、どんな本なら売れそうなのか、どうやったら売れるのか、ちゃんと下調べをして、計画を練って、売り込む努力をしなければ、そりゃ「日本で売れたんですよ、コレ」なんて言っても売れないよ。

それが、やるに事欠いて、今度は経済産業省の後押しで「クール・ジャパン」計画と来たもんだ。今さら、ほんっっっっっっっとバカですね。

なんか、書いてて腹立ってきたからもう止めとく。ホントは海賊版の問題にも触れる予定だったんだけど、それはまた今度ね。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
Related Posts
  • http://www.kusa-makura.com/blog/ simplelife

    読ましていただきました。マーケティングが悪いということと、自分に任せれば、もっと売ってやるというふうに読めますがそういうことでしょうか。

    海外市場の開拓ということで、他に売る物がないのでマンガなのでしょう。素人考えですが、デジタル化してからの方が売りやすくなると思いますがいかがでしょうか。それまで数年待つのが得策かと。

  • katoB

    なるほど! だいぶ前にアメリカで少女マンガの「フルーツバスケット」が売れていると聞いて、不思議に思ったのですが、なんとなく理由がわかりましたよ。
    すると、売れそうなタイトルも見当がついてきますね。そこに力を入れて宣伝したほうが効率がよいわけですね。

  • Avery

    I think your article is completely accurate, but I hope you will be hired by manga publishers to rememedy this situation…

  • Lingual

    simplelife様
    もっと売ってやる、というよりはちゃんとマーケティングをしたいと相談してくれるのなら、人材でも知識でも差し出す準備はあるから、がんばってくれい、というところ。デジタル化については、これも必須だと思います。今回はそこまで書けませんでした。

  • Lingual

    katoB様
    そう、何も全く売れないよ、とは言いませんが、最初から見込める市場がどのぐらいあるかとかを考えて、きちんとその読者層に届くような売り方を考えないと、とりあえず出しとけ、がまったく通じない流通になっているんです。

  • akahmys

    iPadのsafariで見てるんですが、前半部分の文字と背景画像が重なってすごく読み難くなってます。

  • Lingual

    Dear Avery,

    Yes, there are so many talented/enthusiastic people out there, but Viz and TokyoPop are cutting down on staff.

  • Lingual

    akahmys様
    ご指摘ありがとうございます。残念ながらデザイン重視のホームページですので、RSSやEvernotを使うなどそちらで工夫していただけると助かります。

  • http://twitter.com/tetsushi_wata tetsushi

    イギリスに留学した際、waterstonesなどの書店に自分自身あまり聞いたことないマンガが棚を占拠していて驚きました。「コミック=子どもの読み物」という認識は確かに外国では根強いと思います。しかし、子ども時代スーパーマンやスパイダーマンを読んでいた人々はもう大人なはず。アメリカのコミックが、日本みたいに成長せずに、いつまでたっても子どもの読み物である理由が気になります。

  • Lingual

    watanabe様
    それは簡単。今まで大人用のアメリカン・コミックというものがなかったから。大人になってもコミックを読んでいる人はいるけど。

  • http://d.hatena.ne.jp/WATERMAN/ WATERMAN

    例によって日本企業の悪いところが出ていますね。正確には出版業界の悪いところですが。
    結論から言いますと、出版会社ってソニーやトヨタから見れば中小企業もいいところで資金力が全然無いのですよ。
    投下した資金をすぐに回収できないと母屋が飛んでしまう、それくらい弱いところばかりです。
    そもそも読者というのは長い目で育てないといけない、日本のように海外翻訳を貪欲に食ってくれる読者がどこの国にもいると思ったら大間違いです。
    ですが、日本国内ですら出版不況を新書ラッシュで量の減少を数で補う経営が続いていますから、海外の読者を長い目で落ち着いて育てようと言っても無理なんです。

  • led

    元々アメリカじゃ無理なような気がする
    あそこは文化的にハリウッド命ですから
    他の国の映画とか題材を元々受け入れない国です。
    ヨーロッパやアジアの方が受けがいいですし 選択と集中でアメリカには投資しないで他の国で集中的に輪を広げるというのも
    ありかと思います。

  • Pingback: links for 2010-09-07 « 個人的な雑記

  • 3モーラ

    金額についてはわかったんですが、影響力という点ではどうでしょうか。
    「クール・ジャパン」も後者に力点を置いている戦略だと思うんですが。
    ソフト・パワーを云々したり。

    そもそもピークである2007年の2億1000万ドルという市場規模自体、全然大きくないですよね。

    影響力について測りうるようなデータはないものか。
    視聴率や視聴者数、あるいは検索数や検索ヒット数などなど。

  • ↑でも書かれてるけど、いつまでもサザエさん、ドラえもん、アンパンマン一辺倒だからねえ日本のは。

    企業も、そもそもワールドワイドを狙って作品を作っていると言う印象は持てない。たまたま出した本がウケたので次出したらそれも売れた。その繰り返しでしょ?これはJRPGが欧米で売れないのと同じ症状だと思う。
    米車は左ハンドル。日本車は右ハンドルなわけだ。その地で売れたいなら、その地に合ったものを売るべきなのは幼稚園児でも分かること。そこを認識しようとしないのだから、どうしようもない。

  • Lingual

    3モーラ様
    そもそも、影響力とは具体的に何を指すのか、何をもってして計りうるデータとするのか?
    視聴率や視聴者数、検索数、検索ヒット数というのは、売上げに匹敵するだけあると思われます。

  • 3モーラ

    ですから、視聴率や視聴者数、検索数、検索ヒット数などはどうかな、
    と提示したのですが……。

    売上とソフト・パワーの規模は必ずしも比例しないのではないか、と思うんですよね。

    参考。
    米Yahoo!検索ランキング、1位はマイケル・ジャクソン 6位にNARUTO
    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0912/02/news011.html

    そもそもアメリカにおけるアニメーションのプレゼンスはどのようなものかなど、
    その辺りから説き起こす必要があるのかも知れませんね。

  • Lingual

    3モーラ様
    >売上とソフト・パワーの規模は必ずしも比例しないのではないか、と思うんですよね
    なにゆえに? これが何の参考になるんでしょうか?

  • 3モーラ

    たとえば10億ドルの売上があるとして、
    それがすべて50歳以上のアメリカ人によるものの場合と、
    あるいはすべて30歳以下のアメリカ人によるものの場合とでは、
    当然意味合いが違ってくると思うんですよ。
    量を見るだけでは把握できませんよね。

    やや危ない見方かもしれませんが、
    どの世代、階層、人種、民族に支持されているかで、
    ソフト・パワーの強弱/大小は変化すると思います。

    評価軸の設定に、たとえば文化的先進性といったような概念を導入したら、
    金額を見ているだけではわからない情報が得られるかも知れない。

    クリエイティブ・クラスとはなにか、いまそれはどのような状態にあるか、
    彼らがなにを支持しているか、といったようなことには興味がそそられます。

    4chanとか面白くないですか。

  • http://d.hatena.ne.jp/yumemigatio/ がちお

    おぉ・・・言いたいことをここまで言ってくれる人がいるとは!感謝感激!
    漫画に関しては少女漫画のほうが売れ行きいいとは思います。
    なぜならライバルが少ないから。
    少年漫画・青年漫画ならジャンプのNARUTOやブリーチ以外はアメコミ勢に押されてる感じが強いですねえ。
    雑誌の売れ行きでみても確実にアメコミのほうが上です。
    日本漫画って向こうでもこっちでいうオタク女子しか読まないんですよ。
    漫画アニメをフランスに売れといってる人もいますけどどっちかっていえば市場はアメリカ>フランスですよね。
    国力が落ちたとはいえ、世界中で経済力がある国ナンバーツーですしドルはいまだ世界の40%の市場で活躍してるとかきいたことありますけど。

  • kanya

    興味深く読ませていただきました。
    デジタル化することで新流通が生まれますが、こちらのついてのブログも楽しみにしています。

  • Pingback: 大人向けアメコミとKIM625ら表現規制反対派の欺瞞的問いについて (4) - 増田まとめ

  • hujiko

    頭いいですね!すごいですね!マーケットの達人ですね!

    こんな自体が起こる前に、なんで貴方の意見を聞かなかったんだろう!

    というか、こんな自体が起こる前に言ってくれれば良かったのに!

    問題が起こってからの指摘は得意だけど、
    問題を未然に回避する助言は得意ではないの??

    次に起こる問題を教えて回避策をぜひ教えて!

    頭良くて、すごい、マーケットの達人の、このブログの人!

  • 木村

    つーか、アメリカ漫画値段高いよ。
    10ドル前後するじゃん。
    5ドル程度で出す方法を考えろ。

  • 浮草

    大島弓子さんも萩尾望都さんも、USAアマゾンではほぼまったくヒットせず、
    そもそも英訳されていないとおもうのですが、
    私としては日本で多くのクリエイターに影響を与えてきたあの人たちの
    宝石のような作品群こそ、異文化の人にどう受け止められるのか見てみたい。
    それだけに現状は残念ですね。

  • 山田

    日本にある需要だけで満足してないで他の国でも
    きっちり読者を育てられてたら
    集英社とかも大赤字にならなくてすんだかもしれないのにねえ

  • Lingual

    hujikoさま
    ホメ殺し、ありがとうございます。
    マーケットを考える、というのは出しちまった本を売る努力の他に、出す前の準備としてもっとマーケットをよく調査するというのもあるんだけど、もう手遅れ。出し渋りの結果、問題は海賊版の横行、ということもトーゼン考えられたわけです。このエントリーはその辺も含めてアップデートしますので、また「!」が盛りだくさんのアホクセーコメントを期待してますw

  • Lingual

    木村さま
    ですよね。まぁ、翻訳代とか、紙質とか、日本のマンガのように行かないところもあって、そんな値段になっちゃったりするわけです。

  • Lingual

    浮草さま
    ご指摘の2人の著者、アメリカの少女マーケットがもう少し成熟するのを待てば、もう少し違う反響があるかも知れません。出版社側も商売である以上「異文化の人の反応が見たい」だけでは出せないので。

  • http://www.nazo-ja.net 謎編

    長文で失礼いたします。

    この業界に多少なりとも携わったものとして(マンガの英訳、およびフランスでの出版権交渉など)、良くまとまっていると記事だ思う。

    日本育ちのアメリカ人としては、80年代後半から2000年にかけて日本の漫画やアニメがここまで受け入れられたことには驚いた。特に、大学で渡米(帰国?)していた当時、日本の漫画のほとんどはComic Book Storeなどで売られているものが多く、半分以上が18禁になっていた(笑 。漫画も単行本ではなく「うる星やつら」や「北斗の拳」などが2-3話入っていた雨込み風のものしかなかったのに対し、1998年仕事でアメリカに行った際、本屋にはきちんと「Manga」のコーナーが出来ており、単行本として売られていた。

    しかし、あえて今回の記事に対して言えば、ここまで酷くしたのは金もうけに走った米国側のスタッフの無能さが引き起こした問題でもある。

    実はこの問題はアメリカには限られておらず、マンガ大国とも言われたヨーロッパでも問題になっているのだが、米国側で漫画やアニメを売るのにあたり、おおざっぱに3種類の人間に分かれる。

    もっとも望ましいスタッフは、日本の文化を理解しており、作品自体も理解しているので、原作(とその文化的背景)を正しく伝えようと作品を選んで出す人だ。

    しかし、多くの場合は残りの2種類の人間「作品の背景や分かなんてどうでもいい、男受けする女の子やアクションがあれば売れる!」と思うスタッフかヲタク型の「売れが好きな作品以外はカスだ!」と話す人だ。

    これらの人たちが、まさにきちんとしたマーケットリサーチをせず「○○先生の××が売れたので、その先生の作品屋に多様なストーリーを買い占めて出せ!」といったあほな判断をしてしまう。

    大体、文化的に違う国で受ける作品と受けない作品の違いをまず勉強しろ!!

    と言いたくなります。

  • nono

    日本マンガを本気で国際化させたいのであれば、国費を使ってやるべきことは、「名作」(これをどういう基準で選ぶかも厄介だがとりあえず措く)を片っ端から翻訳し、そのまま出版可能な(修正も可能な)デジタルデータとして保管することだと思います。部数によらず一定の翻訳コストがなくなれば、売れ線以外の作品の出版の敷居が大幅に下がるはず。

  • NetCat

    マーケッティングは確かに問題だけど、決定的な要素は:
    1)価格設定
    (高すぎます)
    2)出版されている漫画の数
    (選べません)
    3)供給方法の不味さ
    (通販じゃ立ち読みは出来ません)
    4)翻訳の質
    (低いか、規制の関係で翻訳不能)

    Torrent search掛けたら解ると思いますけど、日本の漫画は英語の小説より沢山ヒットするんですよ。
    つまり、読んでくれてる人数自体はかなりの数が存在してる。でも、正規のルートで入手するより、scanlationから落とした方が早く、タダで、より質の良いものが手に入る状況があるから、誰も買わないんだと思います。

    取り敢えずの解決策としては、電子媒体で漫画の販売をより低価格で始める事と、翻訳のプロセスにもっと一般の人達が参加できるようにすればいいんじゃないでしょうか?
    (無料で翻訳してくれる人達が沢山いるんですから、助けてもらわないのは不合理。)

    漫画の販売が落ち込んでるのは日本国内でも同じですから、販売戦略の問題より、ここ数年が紙媒体から電子媒体への移行期であることの方が販売部数の落ち込みには直接関連しているのではないでしょうか?

  • Lingual

    nonoさま
    ご意見、ありがとうございます。しかしながら、私は全くそれに同意できません。「名作」を国が選ぶという時点で私が言っている「マーケットをちゃんと調べてからそれに則して出す」とは対極の動きになりますし、国費でやる限り、ただの文化事業の域を出ないからです。

  • Lingual

    greykarasuさま
    コメントありがとうございます。1)私が言うマーケティングは適正価格も含めた意味での前調査です。2)もしスキャンレーションサイトに意義があるとしたら、ここで読者が何を選んでいるかを知ることができるということでしょう。3)書店の棚の拡張が追いついてないので通販「も」必要です。4)これは色々と解決方法がありそうです。Scanlationの問題と電子媒体については後日補足しますので少々お待ち下さい。

  • madao

    現在ヤングジャンプで「サラリーマン金太郎」の登場企業が出版社なのですが、今回の話同様問題点に触れており興味深いです。海賊版話も期待してます。

  • http://guninsaga.blog54.fc2.com/ GUNIN-SAGA

    興味深く記事を拝見しました。JAPAN EXPOのニュースを見て、ヨーロッパであれだけマンガ、アニメが受けているのに何故アメリカでの受けがいまいちなのかずっと疑問に思っていたんですが、これで少し謎が解けた気がします。買い手のニーズや金銭事情などを良く調べずに、日本市場の常識をそのまま持ち込んで売りこんでたら、売れるものも売れなくなりますよね。ヨーロッパでのブームはまだまだ続きそうですが、こちらも人気にあぐらをかいてたりするといずれ痛い目に合いそう。今後の記事も期待しています。

  • nono

    Lingualさま:

    お返事ありがとうございます。補足します。翻訳は文化事業ですが、その画像データのうちどれが商売になるかのマーケティングを行って単行本化するのは、れっきとしたビジネスのはずです。翻訳コストを上乗せしてビジネスにしようとしたら、浮草さんが言及されているような作家が海外で一般に読まれる日は永久に来ないと思います。

    悪名高く見直された「国営漫画喫茶」のための予算は100億円強。その程度の国費は漫画文化振興に使う気があるなら、翻訳料1頁5千円として単行本あたり約100万円、単行本約1万冊の翻訳が可能です。一作数十巻に及ぶ近年の少年/少女漫画は、正しくマーケティングすればペイできるので含めないとすれば、この規模は「日本漫画史の基本文献の網羅」に十分であり、決して「国家による少数の作品の恣意的な選別」にはならないはずです。

  • ヒルネスキー

    >>「ちゃんとマーケティングをしなかったから」
    相手の趣味や好物を調べずに接待した様なもんじゃないですか・・・・・・うわあ・・・・・・。

  • KIT

    blogのポストよりコメントのほうが面白いという稀有な体験をした。

  • Lingual

    KITさま
    そのコメントを一気に面白くなくさせる希有なコメントをどーも。

  • Pingback: スパムとコンビーフ - BliBlo

  • true

    この記事は著者が読みたいマンガを期待して書いただけじゃねーのか?

  • Lingual

    trueさま
    あんまりマンガ読まないんで…

  • 2438k

    大変興味深く読ませていただきました。
    カナダで、英訳された少女漫画を見ましたが、1冊10ドル近くしていて、驚きました。日本の感覚では、子供が毎月買える値段ではないですよね。
    それから、なんでもキッパリ・ハッキリ、オレがオレがの精神で生きている日本人以外の方々に、日本の漫画の根底に流れている世界観や空気感が理解できるのか、疑問です。

  • Pingback: 思い出せば 君を呼ぶよ - BliBlo

  • http://twitter.com/tinamoto17 mochizuki motohiko

    僕はヨーロッパの某国に住んでるんだけど、1年くらい前かな?地元ローカルのスーパーマーケットのレジに、現地語訳の日本の少女漫画がゾロリと並んでいるのにいきなり出くわし、のけぞったことがある。
    結局、少女漫画は数ヶ月でレジから姿を消し、これで一山当てようと目論んでいた版元の地元有名書店は「商売にならん」と見極めて早々に撤退したとか。
    当地の書店が突然、日本の漫画を売り出したのは、ここに書かれているアメリカでの漫画出版の話を耳にしたからなんだろうなあ。で、アメリカと同様に売り手のマーケティング不足で大ゴケしたと。瞬く間にレジから姿を消したあのマンガ本の謎が、このコラムを読んでようやく解けた。

  • DH

    >いつも好き勝手に(汚い言葉で)書いているブログだが、
    汚すぎる。

    評価:北米漫画事情の中の人。得難い貴重な情報源。
    漫画への興味は白人社会における東洋人の栄達を志向している
    素直じゃない、可愛くない。屈折している。
    北米における 白人の威圧的な口の悪さと、東洋人女性の白人社会コンプレックスを合わせ持つ全身が標本な女性。
    intresting.

  • Anonymous

    はいはい、コメントありがとうございます。

    「東洋人女性の白人社会コンプレックス」ってのがまったく意味不明。ちなみに白人社会には辟易していて、早く滅びろ、ってのが本音ですが。

    日本人女性は可愛くあれという願望が著しく踏みにじられたようですな、ご愁傷様。

    最後のeが抜けているように、どっかボタンを掛け間違えているとしか思えません。

  • Executioner

    初めて読ませてもらったざんス。
    ミーはもっともな分析だと思うざんス。
    英語が苦手なので、アメコミは日本語版で主に読んでるざんスよ。

    「クールジャパン」はまさに「税金のムダ」な事例。マンガ文化を理解してない連中が売り込むなんて失笑だし。

    未だに日本の自称「マンガ・アニメ好き」はアメコミの「ストーリーの骨太さ」を理解せず絵柄で絵しか判断しないマヌケが多すぎなので。
    (すぺてのアメコミがいいと肯定はしないけどw)

    購買者の懐事情とアメリカにおける『マンガの位置を認識してない日本側の「バカさ加減」を「国民性の違い」で出版社が認めない限り、日本マンガの売り込みはいつまでも失敗すると思うざんス。

  • Yamaharz35

    やっぱり可愛くないな。(笑)可愛くないというのはあんたが男でも言った言葉だよ。
    せっかくのあんたの貴重な才能と立ち位置が刮目されるというのに、アンチがわざわざ増えるような悪口雑言を使ったら心情的に拒絶されるのは明らか。あんたにとって損だということだよ。

    ハイ、以下にカッとなったlingualの悪口の返信が続きます ⇒

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