インディペンデント書店のゆる〜いイベントにかえって好感を持ったりして—NYC independent bookstores get together and mostly have fun in their first annual event
いわゆるインディペンデント(独立系)ブックストアとは、チェーン店ではない零細書店のこと。近場に何ヵ所か複数のロケーションがあってもチェーンとは言わないので、この場合インディペンデントに含まれます。
未来研のウェブサイトで「New York書店サバイバル」という連載があったけど、もう既に情報が古いなぁ。ここに載ったマーダー・インク書店もオスカー・ワイルド書店も潰れたし、マクナリー・ロビンソン書店はマクナリー・ジャクソン書店になったし(しかもその理由というのが、オーナーのマクナリー♀さんがBFのロビンソンさん♂からジャクソンさん♂に乗り換えたから!)スペイン語図書ではLibrería Lectorumももうないし、今年に入ってからもフランス語図書のLibrairie de Franceと日本からは旭屋書店が閉店の憂き目を見た。
小さい本屋さんがアマゾンやバーンズ&ノーブルのような大きいところに圧されるのは、日本も同じだろうけれど、それでもニューヨークで頑張っているインディペンデント書店が今週、徒党を組んで「俺たちゃ負けないぜ!」とばかりにイベントを計画したのでちょっと期待した。
でもすぐに裏切られた。
週末ずっと続いていた雨も止んだ日曜日、近所のアイドルワイルド書店にまず出向いてみたのだが、イベントといっても、どこもリキみすぎて赤字なんか出て本末転倒にならないように、せいぜいちょっとしたディスカウントとか、料理本専門店でボランティアが焼いたクッキーを配るとか、ハロウィーンでもないのに仮装大会をしちゃうとか、そんな程度だったのである。あるいは「誰?」ってな売れてなさそうな作家を呼んで(たぶんオーナーの友だち)、サイン会がてらにレジを手伝わせるとか。いいのか、それで。
まぁ、そのユルさがかえって好ましいというか、下手にお金をかけたり、パーティーでも開いて大盤振る舞いしちゃったら、お客の方だって「なんだ、こんな贅沢できるぐらい儲かってるんだ」って思っちゃうかもしれないものね。
一番の傑作イベントは書店めぐりのscavenger hunt。日本語だとなんだろ? 運動会の借り物競走に近い感覚かな?
これはウェブページに記載された各書店の指定の場所、あるいは店内に置いてあるとある物といっしょに写真を撮り、それを送るというもの。一応そこまで足を運ばないといけないアナログな条件と、メールで写真を送って応募するというデジタルな条件が組合わさった絶妙な企画かもしれない。しかも、賞品は本の詰め合わせ。副賞も本のクーポン….。
しかも、こういうゆるゆるなインディペンデント書店に足を踏み入れると「これは、私も売上げに貢献しないとほんとに潰れちゃうかも」と思わせる雰囲気があって、訪れる人も写真を撮るだけじゃ済まないだろうな。
この日訪れたアイドルワイルド書店は「世界旅行」がテーマの本屋さん。とはいえ、ガイドブックばかりを置いてあるわけではなく、奥の部屋にはヨーロッパ各国の棚があって、その言語からの翻訳ものや、その土地をテーマにしたり、舞台に出てくる作品が並んでいて「居ながらにして旅する気分」がウリ。店名のIdlewildって何かご存知? 答えは一番下に書いておきますね。かなりNY通の人でも知らないと思うから。
かく言う私も「フランス」の棚を見ているうちに、全く買う気のなかったル・クレジオの本を買ってしまいました。普段は知りあいの編集者に売れ筋の本のゲラや見本刷りなんかをもらって、後はキンドルでオーダーしちゃって、自腹を切ってディスカウントなしで本を買ったのは久しぶり。
しかもこのNY市インディペンデント書店の団体のホームページにアクセスするとわかるけど、ロゴがなぜか、市内では 害鳥扱いのドバト。かわいくねー。こんなのがデザインされたトートバッグも今いち購買欲をそそらない。
店員さんも、あまりガツガツしてないというか、普段通りという雰囲気。お店のカラーが全くカブらないから、ライバルにもならないけど、お互いどうやって協力すればいいんだか?みたいな部分もあるしね。
まぁ、そんなわけで脱力系のイベントだったのですが、このインディペンデント書店が版元に対してどのぐらい力を持っているかをそのうち書いてみたいと思います。
*答え
「アイドルワイルド」というのはニューヨークの国際空港がジョン・F・ケネディ空港になる前の名前なのでした。これを知るとさらにお店の目指しているところがわかるような気がする、でしょ?










