恥ずかしくて目も当てられないバカ副大統領候補を出してくるとは、共和党めーThe Shameless is Putting Me to Shame, and the Biggest Shame of All: Thy Name is Palin


初っぱなから長くなりそうなので最初に断っておく。このコラムの主旨は一言で言えば「バカは嫌いだ!」ということである。

昔から恥ずかしくて人前でできないことを他人がやっているのを見るとこっちが恥ずかしくていたたまれなくなる性分だからしょうがない。親のしつけが悪かったんだろうか? いや、親のせいにするのは良くないな。例えば昔から「シミチョロ」のおばさんを見ると、「あ〜、あんなだらしない人が母親じゃなくてよかった」と思うようないやなガキんちょだったのだ。

今、自分が恥ずかしくて絶対できないこと:ブラジャーの肩ひもを見せて歩くこと、バスや地下鉄に乗って、あるいは歩きながら何かを食べること、乳首が浮き出る服を着ること、公衆浴場の更衣室で前を隠さずに歩くこと、等々。あるいは、自分がやらなくても他人がやっていると恥ずかしいと思うこと:誰の目にも明らかなカツラを付ける。ローライズのジーンズから下着を見せる、大人になっても野球帽と半ズボン姿で表を歩く、デカイ声でくっちゃべる、口を開けてガムを噛む、等々。

やだ、あの人ったら恥ずかしい、という気持ちはいつしか抑えがたい(抑えているけど)怒りになって沸々と私の中で煮えたぎる。

そして極めつけなのが「平気な顔をして無知をさらす」という恥。しかも世間ではバカに付ける薬はないという。だったら私が殺意を抱いてもしょうがないではないか。

「そんなこと言うテメエはどんだけ頭いいんだ?」と突っ込まれるのはわかっている。私も大して賢い人間ではない。こんなバカなコラムを心底怒りながら書いているのだから。私が意味するところの「バカ」とは教養がない人で、東大を出ていようが、一流企業に勤めていようが、人の上に立つ地位にいようが、関係ない。「無知の知」というように、自分の「分」というものを自覚していないバカがいちばん嫌いなのだ。そして自分の無知を恥じない人間がとほうもなく恥ずかしい。

最近、日本のテレビを見ていたら「バカキャラ」が旬なのか、バラエティー番組には必ず組み込まれていてクイズ番組ではボケた答えをかましているし、バカキャラが複数集まってユニット組んで歌まで出す始末。「あれは、わざとそういうキャラで売っているのであって、本当は賢い人たちなんだ」と擁護する意見もあるようだが、そういうのを聞いても腹の虫は収まらない。「そこまでしてテレビに出たいのかね?」と哀れみを誘う。

やっと本題に入る。だから最近、見ているだけで恥ずかしくてどうにも腹が立つのがあのサラ・ペイリンというバカ女だ。

実は田舎者も嫌いなのだが、それも田舎の人は考え方が狭く保守的になりやすいから嫌いなのであって、牧歌的な田舎そのものはむしろ好きだ。そういう意味でもペイリンの価値観は思いっきり保守で、いかにも田舎のバカなのだ。

アメリカ合衆国50州のうち、ハワイとびりっケツの50州目を争っているのがアラスカである。地図を見てみればわかる。スペース節約のため、別枠になっているのがこの2州だから。

こいつの政治家としての経験を見てみよう。(比較対象の女性候補として、私が支持していたヒラリー・クリントンを引き合いに出させていただく。)人口1万に満たないワシラという村の市長(いや、村長)をした後、アラスカの州知事。ぷ。州知事ったって人口70万弱。対してヒラリーが上院議員を務めるニューヨーク州は2000万弱。アラスカ中の熊とトナカイを足してもNY州の人口に届かないだろう。

しかもヒラリーは州政府の内部抗争で有名な州都オルバニーで(州知事がいきなり買春バラされて辞任に追い込まれるとか)着実に実力を発揮。対してペーリンがアラスカでやったことといえば、「イヤマーク」と呼ばれる連邦政府の思いやり予算をガンガンとってきてくだらねーことに使っただけ。

ペイリンの他の政策といえば、未成年の中絶をさせなくするとか、図書館の禁書推進とか、親戚の離婚に頭突っ込んで相手を解雇させるとか、その程度。いるよね、こういうせこいパワーゲームに命をかけるPTAのおばさんが。

外交経験と言えば、ファーストレディーとして世界各国を回って来たヒラリーに対し、「うちからはロシアが見えるのよ!」。インタビューで「ブッシュ・ドクトリン(この場合は、unilateral military policyつまり、世界の意見に背いて勝手にイラクを攻撃するようなマネを含む愚策のこと)に賛成ですか?」と聞かれて「どの部分に?(と、ごまかしたものの、本当は「それってなぁに?」と顔に書いてあった)と聞き返すお粗末さ。

どうしてバカが副大統領になってはいけないのか。外交を担うからである。

よその国には、プーチンとか、金正日とか、中国とか(ここは国ごと)、狡猾でしたたかなジジィが大勢いて、そいつらとサシで渡り合っていかないといけないわけだ。それにはなるべく(ニューヨークみたいに、ま、シカゴでもいいけど)価値観や文化や意見が違う人たちが集まる場所で、それぞれの言い分を把握し、自分が不利にならないように相手を説得し、国の未来を左右する決断を下す能力が求められる。これを通常「経験」と呼ぶ。

そりゃ、世界にはモラレスとか、アフマディネジャードとか、ムガベとか、デカい口をたたく割には頭の中身は案外薄っぺらという「バカ仲間」もいるが、そいつらに限ってアメリカと仲良くしよう時はさらさらなく、隣りに並べば少なくともブッシュよりは頭が良いように見えるリーダーもいないわけではない。

で、大国のリーダーとしては最大級のバカであるブッシュがこの8年間でどれだけアメリカをダメにしたかを見れば、やっぱり大統領はバカじゃダメじゃん、という結論に至ると思うのだが。

ブッシュとペイリンに共通するもの、それは、経験値の代わりに「聖書に書いてあるから」を基準にすべてを判断するアホらしさである。キリスト教以外の宗教を信仰する国(アジア、イスラム諸国)、あるいは政治に宗教を介入させない政策をとっている国(ヨーロッパの多く)に対して、バイブルを振りかざし、だからこっちが正しい、ということが無効であることに気づいていないんだから、救いようのないバカってこと。

現在、金融界の騒動を見れば、次期大統領は外交だけでなく経済対策も複雑な思考と対処を迫られるのは一目瞭然だ。

政治家は経験よりやっぱり人柄が大事よ、と戯言を宣うあなたのために、それでは、母親、そして妻としてのペイリンをヒラリーと比較してみよう。

ヒラリー・クリントン
夫の職業 元大統領 無職で主夫
夫の浮気 許した 銃で股間を撃つと脅したんじゃね?
娘の学歴 西の名門スタンフォード大卒
英オックスフォード
高校中退?
娘の就職先 最年少でマッキンゼー入社 17歳で妊娠して未婚の母
娘のボーイフレンド エリートぼっちゃま 頭空っぽアマチュアホッケー選手
政党大会で娘は 立派なスピーチを披露 妊娠させた相手をフィアンセと偽って引きずり出した

人前に出して恥ずかしくない娘を育てたのはさて、どっちでしょう?

テレビで愛想を振りまくペイリンを見ていると、こんなバカが同じ女だと思うだけで腹立たしい。どれだけ面の皮が厚ければ自分が副大統領の器だと思えるのか、理解しがたい。

というわけで、バカは嫌いだ。以上

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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