知りあいの編集者がライターの人と結婚することになって、しかも非日本人のその二人を結びつけるきっかけとなったのが、二人とも日本にいたことがあって、日本が大好きで、それで意気投合して、そのライターの人の2作目が日本にまつわるフィクションだなんて聞かされた日には、もう、読むっきゃないでしょ、と思ったわけだが、それはそれで諸刃の剣、その本が「これは、ちょっと…」というようなトンデモ本だった場合、どうすりゃいいのか、って話なんですが。
そのライターの人のデビュー作となったのが、イラク戦争での実体験を綴ったメモワールで、荒削りながら戦場での友情や、殺人を余儀なくされる兵士としての悲哀や、平和ボケした日本からは予想もつかない軍内部の複雑な実情なんかを語られる分にはけっこう切れ味の良い作品に仕上がっていて、しかもジェイク・ギレンホール主演で映画化されて、そこそこのヒットになったわけだから、少しは期待もするわけで。
だけど、フィクションの場合、横田基地内外の典型的なアメリカ人の生活習慣や心情や日本に対する偏見なんかを書いている分にはいいんだけど、主人公らしき日米ハーフの女の子の素行だの、価値観だのが思いっきりズレていたり、お前、和食と言えばヤキソバとギョウザしかしらんのか、とツッコミたくなったり、6歳の子供がいる貧乏家庭で、夕べのおかずが刺身だったり、家でしゃぶしゃぶした翌日に神戸ビーフのステーキ焼いてたりするのってどーよ、ってなことには目をつぶったとしても、娘が検挙されて投獄の憂き目にあっても放っておいて、自分がガンで死にそうになると娘を捜してくれって頼んだりする父親ってひどくないか?みたいな人物描写にも問題あり、となると、もう良いことは書けないから、このぐらいにしておこう、と決めたわけです。
お情けで著者名も書名も伏せてありますが、まぁ、ちょこっと調べればすぐにわかるよね。
とりあえず、彼の今後の作品に期待するとして、心からおめでとうという気持ちには変わりないのであしからず。
【後日談】
ところが! 先日会ったときにそれまで指に燦然と輝いていた大きいダイヤの指輪がなくなっているので”What the ***?”と問いただしたところ…つい最近、別れたんだってさ。あーあ。だから私をこんな(ヒップホップ系のダンサーが集まるような、普段なら私には縁のない場所)パーティーに引っぱり出したのね。
「今だから言うけどさー、彼の小説って..」と言いかけた後は2人とも同じことを感じていたということが発覚。そう、米軍基地内の部分は良いんだけど、2人のその後の人生の描き方がねー、みたいな調子で話が弾んでしまって、いいんだか、悪いんだか。
「だってねー、つきあっていた1年半の間にアイツ、次の小説を100ページしか書いてないんだよ。レイジーなんだよね。そういうのって編集者から見るとありえないっつーの」と手厳しい。最初の本が映画化されてかなりお金はあったらしい(まぁ、あの婚約指輪を見りゃ一目瞭然か)けど、それが裏目に出たのか、元々遅筆なのか。
そしてトドメの一発。日本語が達者なその編集者にしてみれば、日本通を自称するソイツが「sukebe」もまともに発音できないのが耐えられなかったらしい。「スキービー、だってさ。違うっつーの。そんなんいくらなんでもあかんやろ?(←大阪弁もできるのだ、彼女。)もう、なんかガッカリしちゃってさ。」ということで、やっぱり人生のパートナーとして暮らしていくには、相手をrespect(尊敬)できなくっちゃね、ということで、お互い、そういう男を探していこうね、というところに落ち着いたのであった。
ちなみにこのパーティーで彼女はこの後、いけてないフランス男にナンパされ、しばらくフランス語でやりとりした後、最近知り合ったという年下のラテン系の男の子を呼び出していたので、私は帰路につきました。
Discussion
No comments for “知りあいの本は読まない方が良い時もあったりして—If you can’t say anything nice…”
Post a comment