Brooklyn Heights


イーストリバーを挟んで、マンハッタンの金融街の対岸に位置するブルックリンハイツは、下手すると今ではマンハッタンよりも不動産価格が高いかもしれない。

一昔前まではこの辺は「エホバの証人」の人たちしかいないのか?ってぐらい多かったけど(今も本部がある)、最近は夫婦でマンハッタンに住んでいたのが子供ができたのを機会にもう少し住みやすい環境を求めて移ってきました〜という白人家族が犇めいちゃって(うわ、この「ひしめく」って漢字、牛が3匹って書くんだ、アメリカ人家族ってホルスタインのイメージだし、ピッタリかも)いる感じ。

歴史的にはジョージ・ワシントンが英国軍相手にロングアイランドから退却してきて、この辺に立てこもったという背景があります。

詩人ウォルト・ウィットマンもブルックリンハイツ生まれで、詩が売れるようになるまではこの辺にずっと住んでいて、地元紙のしがない新聞記者として記事を書いていました。

独立記念日(7月4日)のメイシーズ主催の花火大会を見るには絶好のスポット。

広いスペースを必要とする駆け出しアーチストの皆さんはもう少し北のダンボ(DUMBO, Down Under the Manhattan Bridge Overpassの略)という地区にどんどん移り住んでいてこれからも開発が進むと思われるエリア。

お薦めの散歩コース

地下鉄でトンネルを抜けて次の駅で降りて数ブロック歩けば行き着けます。FでYork Ave.で降りるか、A/CラインでHigh St.で降りるか、あるいは2/3や4/5でBorough Hall側から攻めるのもありでしょう。

Bubby’s 1 Main St. (at Plymouth St.)
http://bubbys.com/

窓からマンハッタンが一望できて、ブランチメニューが豊富な二階建ての広いお店。週末は子供連ればっかりでなんとも賑やか。なんでもボリュームたっぷりで美味しいけどやっぱりアイスクリームをのせたあったかいアップルパイで閉めましょうね。

PowerHouse Studio 37 Main St. (at Water St.)
http://www.powerhousebooks.com

2年前からモダンでエッジーな写真集をたくさん出しているパワーハウス出版のオフィスの1階部分には本屋さんが併設されていて、写真集から児童書までここの本だけでなく、文房具からTシャツまで、NY土産になりそうな洒落たグッズが揃っています。アーティストなら写真集を眺めているだけでもインスピレーション受けること間違いなし。

こんな贅沢な空間の使い方は、もうマンハッタンでは許されない感じ。色々なイベントも目白押しです。ここの版権担当の男の子も若かったなぁ。
Jacques Torres Chocolate 66 Water St. (bet. Main and Dock Sts.)
http://www.jacquestorres.com/

ここのチョコレートも日本人女性の間では有名ですよね。ダークチョコの箱は12個入りで18ドル。ショウガの砂糖漬けをチョコでくるんだ缶入りのお菓子や、リンゴの箱なのに、オレンジピールのチョコスティック、ってのも10ドルちょっとでお土産に最適。
River Café 1 Water St. (at Old Fulton St.)
http://www.rivercafe.com/

マンハッタンの夜景をバックに熱いキスでも、プロポーズでもしちゃって!と言いたくなるロマンティックスポット。お料理もなかなか力が入っとります。名物は「ブルックリンブリッジ」というチョコレートとアイスクリームのデザート(見るだけでお腹いっぱいだけど、一見の価値あり)。私は某漫画家の接待で来たり、母親を連れてきた記憶しかありませんが…。

Brooklyn Ice Cream Factory

リバーカフェの向かい、水上タクシーの船着き場にあるミニチュアの燈台みたいな建物が目印。原材料全て自然食品のアイスクリームはナッツ系の好きな人にはバターピーカン、フルーツ系の好きな人にはピーチクリームがお薦めだけど、オーソドックスにバニラというのもいいかもね。アメリカのアイスクリームにしては不思議なほど甘さ控えめ。

マンハッタンの摩天楼を右に見ながらプロムナードを歩きたいのをぐっとこらえて、少し高速道路に近づいてWillow St.を歩いてみて。

Truman Capote wrote “In Cold Blood” here 70 Willow St.

薄いイエローの2階建ての建物。トルーマン・カポーティが『ティファニーで朝食を』や『冷血』を書いたのはこのアパートです。ただし、その頃はまだビンボーもの書きだったので、彼の部屋は下の茶色い部分の半地下の部屋。マンハッタンに住むこともできなかったってわけ。もちろん売れだしてからはさっさとここを引き払ってマンハッタンはアッパーイーストに移りましたとも。

Arthur Miller lived here shortly 155 Willow St.

also at 112 Pierrepont St.

also at 62 Montague St.

劇作家のアーサー・ミラーは一時期、このブルックリンハイツ界隈をあちこち引っ越ししまくっていました。『あるセールスマンの死』を書いたのはここだと言われています。その頃お忍びでつきあっていたマリリン・モンローを連れ込んだのもこんな小さなアパートだったのかー…。もちろん結婚後はマンハッタンに移り住みましたが、結婚の方は長くは続かなかったなー。(Arthur Miller image by sokaris73)

Norman Mailer lived and died here 142 Columbia Heights

50年代からずっと書斎の窓からマンハッタンを眺めながら仕事をしてきたのが、つい最近亡くなったノーマン・メイラー。近所でも評判の「変わり者の偏屈じいさん」だったらしい。

その他、このブルックリンハイツの住人には女優のジェニファー・コネリー、俳優のゲイブリエル・バーンズ、ポール・ジアマッティらが住んでいる。

Heights Books 109 Montague St.
http://www.heightsbooks.com/

もう少し行けばCourt St.にバーンズ&ノーブルもあるけれど、ブルックリンハイツの本屋さんといえば、この古本屋さん。こういうポリシーのある古書店ってもうあまり残ってないから貴重な存在。アート、哲学系が充実。
Eamonn’s 174 Montague St.
http://www.eamonns.net/

昔ながらのアイリッシュ・パブ。オーダーするならソーセージとポテト、あるいはシェバード・パイでしょうね。

Montague St.

ブルックリンハイツの商店街がモンターグ通り。ボブ・ディランのTangled Up in Blue(ブルーにこんがらがって)という曲にも出てきます。

I lived with them on Montague Street
In a basement down the stairs,
There was music in the cafes at night
And revolution in the air

「革命が漂ってる」だなんて、昔からアングラな場所だったわけですね。

さて、それじゃそろそろ帰りましょうか。

Montagueの一本南のRamsen St.からプロムナードを北上、左手にマンハッタンを見ながら歩きましょう。

1)ブルックリン橋を歩いて帰る

Washington St.とProspect St.のところに入り口があります。お天気のいい日は気持ちいいですよ。実際歩いて学んだけど、細いピンヒールの靴は不可。

2)水上タクシーで帰る(土日のみ、平日の夕方にウォール街まで限定の便あり)

プロムナードの北端、Fulton Ferry Landingから水上タクシーが毎時間半に出ています。対岸のサウスストリート・シーポートまでは10分、その後自由の女神が間近で見られるダウンタウン周りでウェストビレッジや、チェルシー、1時間ほどで44丁目の西岸に着きます。

Brooklyn Heights

written by

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
© Copyright - Books and the City - All rights reserved.