ドルが下がってNYの不動産が外国に買い占められちゃう—Flatiron Building is sold to become a hotel

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ドルが下がってNYの不動産が外国に買い占められちゃう—Flatiron Building is sold to become a hotelBooks and the City

五番街とブロードウェイが交差する23丁目にあるこのフラットアイアンビルがイタリアの不動産会社に買われ、ホテルにされるというニュースを聞いてなんだかガッカリしてしまった。このビルは以前にも紹介したことがあるが、ハリウッド映画にも時々登場していて、アメリカ版『ゴジラ』では壊されちゃってたし、最近では映画『スパイダーマン』でトビー・マグワイアが自分の写真のポートフォリオを持ってやってくる新聞社、The Daily Bugleもここだという設定だったりする。

主要テナントはセント・マーティンスやシュプリンガー・フェアラークといった出版社なのだが、これにはそれなりの訳がある。何しろ1902年に建てられた古ーいビルなので、高速ネット回線などが張り巡らしにくく、だからそんなものを必要としないローテクの出版社にうってつけなのだ。外壁は文化財指定を受けているので、変えたりできないし。

ニューヨークがITバブルに踊っていた頃、この辺りは西海岸のシリコンバレーに対しSilicon Alleyと呼ばれてたけど、そのシンボル的存在だったビルがローテク自慢のフラットアイアンだった、ってことが可笑しかったなー。(Photo by: Wally Gobetz)

友人のアンバーちゃんがまだピカドール(セント・マーティンスのインプリントのひとつ)の編集者だった頃に何度かオフィスに遊びに行き、上司の角部屋も見せてもらったことがある。確かにちょっと変わった間取りで眺めがよかった。エンパイヤステート・ビルがバッチリ見えたりして。でも20階ぐらいしかない。

館内には未だに水圧式のエレベーターが動いているけれど、ロビーには最新のセキュリティーシステムを導入したのか、上の階に上がるにはパスポートよろしく、顔写真入りの入館パスをつくらないといけないんだよね。だけどその写真ってのがまた粒子の荒い白黒写真で、ハイテクなんだかローテクなんだかわからないそのギャップがおかしくて、シールになったその入館パス、名刺帳の裏に貼ってあるぐらいだもんね。

ホテルにするんだとしたら、各テナントのリースが切れるまで10年ぐらい待つか、各出版社に大枚払って出て行ってもらうんだろうけど、これからは不況でニューヨークを訪れる観光客もあんな古い建物に高い部屋代出してまで泊まりたくないかもしれないし、確かに出版社は地味だけど、急に倒産して夜逃げすることはないだろうから、テナントとしてそんなに悪くないと思うんだけど。

アカデミー賞をとったライティングデザイナーを雇って、ライトアップするんだとさ。私の前の勤め先の向かいだったドリーム・ホテルみたいにエグい色の光をあてて照らし出すのかな。フラットアイアンってフツーに白いからいいのに。(あの外壁はサンドブラストという方式でお掃除しなくちゃいけないからそれはそれで大変なんだけど。)

またドルが弱くなってるから、80年代にロックフェラー・センターだの、フォーシーズンズホテルだのと、日本がマンハッタンの不動産を買いまくっていた様な時代が来るのかもね。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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