ビル風、人ごみ、凍てついた歩道…師走になると走れなくなる街ニューヨーク—May the Coming Recession Make This Town a More Tolerable Place for Christmas


毎年この時期になるとマンハッタンの繁華街を歩くのが億劫になる。ただでさえ容赦なく吹きつけるビル風が寒いのに、タイムズスクエアやヘラルドスクエア近辺は全国から結集したおデブな観光客でごった返し、早足で歩くこともままならない。(以前バーバパパみたいな一家を五番街で迂回しようとして足首をくじいたことがあるのだ)さっさと用事を済ませようにも店はどこも買い物客で溢れかえり、レジの長い列にウンザリさせられる。どこもかしこもクリスマスの飾りつけとクリスマスソングでげんなりする。(先週のサンクスギビングの惨状についてはNYニッチに書いたコラムを参照されたい。)

サンタクロースなんてバイキング文化の聖人の一人、聖ニコラスが商業的に利用されるようになったにすぎないのにねぇ。本人は施しの名人だったそうだけど、元々は船乗りの守護神だろ。(左上に浮かんでいるオッサンがそう。)1920年代のコカコーラのキャンペーンがサンタを利用しようと考えついたから、あんな「赤と白」の服を着たおデブのじーさんになったというわけ。(Photo by: Martin Beek)

お歳暮、お中元、心付け、手土産といったプレゼント文化がほとんどないアメリカでもクリスマスだけは別。家族親戚から友人・同僚に至るまで、ギフトを用意しないヤツは非国民、みたいな雰囲気がある。

元々センスが悪い上、相手を思いやる繊細な気持ちに欠けるKYアメリカ人がギフト交換するとなるとかなり悲惨なことになる。なんてったって”It’s the thought that counts.”(贈る気持ちが大切)と自分で宣言してしまう輩どもである。欲しくもないださーいプレゼントを押し付けあうただの儀式。しかも「せっかくもらった物だから大切にする」という感覚がないので、クリスマスの翌日は大バーゲンとともに返品祭り。

今まで誕生日にもクリスマスにも相手が喜ぶ物を、センスあふれるラッピングと気の利いたカードで贈り続けてきた私。もうやーめた。私からプレゼントをもらえるのは、甥っ子2人だけだからね。

それが今年は不況のおかげで、町中は例年より空いているみたいだし、浮かれ加減もさほどではない感じ。観劇のチケットも人気レストランの予約も取りやすい。素晴らしいことだ。幸いまだ雪も降っていないことだし、冬籠りばかりしてないで、ちょっとは出歩いてみようかと思う。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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