大統領選挙が終わってもまだバカを晒している人、見ーつけた!—Watching ex-candidate Palin oblivious to a turkey slaughter behind her is yet another reason to be thankful this holiday season


サンクスギビングというのは北アメリカ独特の祝日である。11月の第4木曜日と決まっているので(カナダでは10月の第2月曜日)ほとんどの会社は金曜日も休みにするが、そうでないところもあったりしてややこしい。

しかも、なにがなんでも家族と一緒に食卓を囲む日とされているので、水曜日の帰省ラッシュは想像を絶するものがある。高速道路も空港もバスターミナルもメチャ混み。日本の盆暮れと同じだね。全米でちょっとした民族大移動が起こる感じ。

こっちに家族がいない日本からの留学生や観光客にはちょっと辛い休日かもしれない。レストランやお店はおおかた閉まっているし、友人はみな田舎に帰るし、テレビをつけてもアメフトしかやってないし、過ごし方に困るホリデーだと言っていいだろう。(Photo by: Vanesser III)

アメリカ人家庭におよばれしたところで、家族親戚で集まると、男はビール飲んでジャンクフード食べながらテレビで日がな一日アメフト観戦、女は台所でターキーが焼けるのを待ちながら他人のうわさ話、子供の学校、美容、ぐらいしかテーマがない井戸端会議に興じるのである。夜は(パサパサしていてあまり美味しくない)七面鳥の丸焼きをメインにした伝統料理を死ぬほど食べた後は、次の朝5時とか6時とか、とんでもない早起きをしてモールに行ってクリスマスショッピングを始めるのである。毎年毎年おーんなじ。飽きずに。

この祝日のバカバカしさがわかってもらえただろうか。なにが楽しいんだか。つきあいきれん。しかも大原家では父親がターキーを食べられなかったため、サンクスギビングには魚料理と決まっていたし。私は最近およばれしてもアメフト嫌いだし、おばさんの井戸端会議も苦手なので、ほとんど(毎年同じ話なのでかまってもらえない)お年寄り相手に昔話を聞くか、ベビーシッターになって子供と遊んでたり(ついでにこっそりと悪いことを教えたり)する。

そういえば、かなり昔の話だけど一度だけターキーハンティングに連れていかれたことがある。といっても、ライフルなんて撃ちたくなかったのでただの見学。氷点下の気温の中、ひたすら上に枯れ葉をかぶせた穴にこもって歯をガチガチ鳴らしながら震えていた記憶しかない。あん時はまじでお尻がしもやけになるかと思った。同じ「ワイルドターキー」ならバーボンの方をいただきたかった。(Photo by: Mark Sardella)

ターキーはほとんど飛べないので地面をボテボテ、ドコドコと走り回るのである。野生のはかなりの脚力があるので、これが想像以上に速い。ダチョウの脚が短いのを思い浮かべてもらえればいいかも。しかもけっこう重いのでぶつかられると人間の方がひっくりかえったり、怪我したりするんだとか。先週のSaturday Night Liveで七面鳥たちのスケッチがあったけど、まさにこんな感じ。

そして、ターキーねたのお笑いと言えば、バカ・ペイリンがまたしてもやってくれました。これはバックグランドがわからないと面白くないかな?

サンクスギビングでもうひとつ、アメリカのわけのわかんない風習に「大統領によるターキーのpardon(恩赦)」というのがある。元々、毎年ホワイトハウスにサンクスギビング用のターキーが献上されていたのを、ある年ケネディ大統領が「殺さずに飼おうか?」と言ったのが発端だったようだ。で、結局は絞めて食べちゃうんだけど、儀式として1匹を記者団の前に引きずり出して大統領が「その方、命を助けてとらす」とやるのだ。

そこでアラスカに帰ってもマスコミに出続けたいサラ・ペイリンに対し、ローカルテレビ局が七面鳥を恩赦して下さいってんで、地元のターキー農場でパードンをやったのはいいけど、その後インタビューの最中に彼女の背後数メートルのところで、七面鳥を「処理」しているところがバッチリ映っていた、というアホくさい話。

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円錐形の機械に七面鳥を逆さにつっこんで首をはね、その下に置かれた桶は血で真っ赤に染まっている…ホラー映画さながらの光景をバックに、ペイリンは今回の大統領選挙でどんなに候補者のスケジュールが「残酷なほどキツい(首チョンパされるよりはマシだろ)」か、原油の価格が下がってからアラスカの州予算が「危機に陥ることを予測した(今そこすぐ後ろにある危機についてはどうよ?)」か、うちでは親戚が集まって「あたしがターキー担当なの(もう準備できてまっせ)」かをペラペラペラペラ、相変わらず文章になってない文章でしゃべりまくっている。そしてお得意のウィンクで「しめる」。背筋がゾクゾクするような間抜けなエピソードだ。

まぁね、スーパーに並ぶ食品がどのようにして生産されているのかを直視するのは悪いことじゃないでしょう。このビデオは特に彼女を支持していた宗教的保守派の家族みんなで見てほしいね。

本来サンクスギビングとは、ターキーを食べる日でもなく、アメフトを観る日でもなく、ショッピング前夜祭でもなく、文字通り日頃の感謝すべきことを再確認するための祝日。今年も家族健康に過ごせたとか、まだ住宅ローンが払えなくなってないとか、GMがまだつぶれてないとか、シティバンクに預金してなかったとか…。

私は何に感謝するかって? もちろん「あぁ、こんなバカ女が当選しなくってほんとによかった」「アメリカ人と結婚して行かなくちゃいけないサンクスギビングディナーがなくてよかった」「ウォール街に勤めてなくてよかった」…そんなところかな。Happy day to you all! Enjoy while it lasts! (Photo by: degreeszero)

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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