今年もジミシブ、全米図書賞が目立たないのはなぜ?—NBA (No, not the pro basketball league) can use a little pizzazz


11月19日の夜、今年のNational Awards()の受賞者が発表された。とりあえずアメリカで最も栄えある賞なのでもっと盛大に書きたいところだが、とにかく今年の作品も地味。なんで毎年こうなんだろうと首を傾げたくなるぐらいに。

フィクション部門:SHADOW COUNTRY(影の国)ピーター・マシーセン著(モダン・ライブラリー刊)
ノンフィクション部門:THE HEMINGSES OF MONTICELLO(モンティセロのヘミングス一家)アネット・ゴードン=リード著(W・W・ノートン刊)
YA(児童書)部門:WHAT I SAW AND HOW I LIED(私が見たこと、ついた嘘)ジュディー・ブランデル著(スカラスティック刊)
詩歌部門:FIRE TO FIRE(炎から炎へ)マーク・ドティ著(ハーパーコリンズ刊)

渋いチョイスだなぁ。特にマシーセンの本なんて、焼き直しというかKILLING MR. WATSON、LOST MAN’S RIVER、BONE BY BONEの3部作をまとめたものだというし。(日本ではハヤカワから第1作目にあたる『ワトソン氏を殺す』は出ているようだけど…絶版だろうなぁ)それに彼はノンフィクションの方が定評あると思うし。私の中では昔ジョージ・プリンプトンらといっしょに「パリス・レビュー」誌を立ち上げた人、今は環境保護問題に取り組んでいて、禅宗に走ったリベラルなおじいさんって位置づけなんだけど。(Photo by: Doug Brown)

19世紀アメリカのさとうきびプランテーションのおじさんが狂気に走る話ねー…食指が動かない。

かろうじてノンフィクションではタイミングがいいというか、アメリカ初の黒人大統領が選ばれ、オバマフィーバーが吹き荒れる昨今、トーマス・ジェファーソン家ゆかりの奴隷の家族を3代にわたって追ったゴードン=リード。黒人女性としてはこの部門初受賞。こっちの方が話題になるかな。

それよりも、この全米図書賞が全然盛り上がらないのが不思議だ。映画界のオスカーとか、TV界のエミーとか、ブロードウェイのトニーとか、ニックネームのついたもう少し派手なプロデュースができないものだろうか。イギリスのブッカーはあんなに盛大なのに(って1回しか居合わせたことないけど)。

でもま、本だからこのぐらい地味でもしょうがないかという気がしてくる。おそらく他にも「もう少しハデになんかできないかなー」と思った人がいたのだろう、数年前からQuill Awardsというのができた。これは読者が選ぶ賞としてNBCでも授賞式が放映される、という企画だったんだけど、今や「あ、そういう賞もあったね。今年はもう発表されたんだっけ?」ぐらいの扱いだしなぁ。日本みたいに何でもかんでも文学賞作りすぎても効果が薄れるわけだし。

それはそうと、今年に入って仕事を変えたというのもあるけど、こっちの新しいフィクションをあまり読んでいない気がする。いかんな。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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