オプラ・ウィンフリーに代わる出版業界のミダス王はバラク・オバマで決まり— Anything King Midus Obama Touches Turns to Bestseller, for now

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オプラ・ウィンフリーに代わる出版業界のミダス王はバラク・オバマで決まり— Anything King Midus Obama Touches Turns to Bestseller, for nowBooks and the City

オプラ・ウィンフリーが自分のTV番組でやっている「ブッククラブ」で好きな本を推薦するとたちどころにそれがベストセラーになる、という話は書いたばかりだけど、そのオプラが大統領指名戦当初から個人的にバラク・オバマを応援していたというのは有名な話。同じシカゴを拠点にしていたというのもあって、彼が大統領に立候補する前、一介の下院議員だった頃から「この人こそ将来アメリカを背負って立つ人」とご贔屓にしていて、ヒラリー・クリントンらと民主党の大統領候補指名戦が始まる以前から何度か番組に招いてインタビューしていた。だけど、オプラは「自分の番組を選挙活動に使いたくない」と明言し、選挙が終わるまではぐっと我慢して番組中にオバマの名前を出すことはなかった。ようやく当選が決まった夜、他の支援者といっしょにグラント公園に出向き、泣いていたぐらいだし。(Photo by: Adria Richards)

次の日、自分の番組で「前にいた知らない男の人の肩によりかかって、グスグス泣いていたから鼻水つけちゃったのよ〜。ごめんなさいねー」といって笑いながらも、喜びを抑えきれないという感じで「イェーイ!」って何度もシャウトしてましたからね。オプラが以前ほど「ブッククラブ」をやらなくなった分、そのオバマが今や出版業界のミダス王として崇められている。雑誌なんてTimeからPeopleからNew York Magazineのクリスマスギフト号に至るまで、表紙はどれもオバマ・ファミリー一色。

雑誌だけでなく、本もオバマのおかげでほくほく。アマゾンのチャートのトップ100をざっと見ても、マニフェストのAUDACITY OF HOPE(『合衆国再生』)や自伝DREAMS FROM MY FATHER(『マイ・ドリーム』)はもちろんのこと、オバマがちょろっと話題にしただけで、それまで大して売れなかった地味な本が急にベストセラーになっている。すごーい影響力。

TEAM OF RIVALS/Doris Kearns Goodwin
オバマと同じイリノイ州出身のリンカーン大統領が就任後、かつてのライバルを自分の内閣のスタッフに加えたというノンフィクション。オバマが「自分の内閣はこういう風にしたいんだ」と語ったところ、人気急上昇。

CRITICAL: What We Can Do About the Health-Care Crisis/Sen. Tom Daschle
今日の今日、厚生長官にトム・ダシェルが内定したというニュースがあったばかり。とたんに国民保険制度をどうやって改革できるか自説を披露したダシェルの本がバカ売れ。厚生省のお役人がまとめ買いしているという噂あり。

THE DEFINING MOMENT: FDR’s Hundred Days and the Triumph of Hope/Jonathan Alter
当選後、夫婦揃ってインタビュー番組に出演した際に、「今、読んでいる本は、FDR大統領が就任後100日を追ったノンフィクション」と言及、タイトルや著者は特定しなかったのに、マスコミが「この本じゃないの?」と推測、とたんにベストセラーに。

この他にも写真集や、当選後のスピーチをまとめた即席本なんかもチャート入りしている。オバマ効果、すごすぎ。実は書籍出版業界も今年は最悪のクリスマスシーズンになりそうだと戦々恐々としているところ。バラク・オバマがきっと菩薩かサンタクロースのように見えているはず。(Photo by: Sony Stark)

いや、なんといってもこの8年間ずっと本も読まない、原稿もちゃんと読めない、まともなスピーチもできないバカな人がリーダーだったものでして、ちゃんと読み書きができる人、というのが新鮮に感じられるわけですよ。しかもサラ・ペイリンみたいな候補まで出てきちゃって、負けたというのに未だにあちこちでテレビに出まくり、文法的にもおかしく、筋の通らない文章を繰り返しているものでして、うんざりさせられているところでもあるし。

今ちょうど日本の皆さんもマンガは読めても漢字が読めない首相が毎日のようにテレビに出ているので同じ気持ちを味わっていることとお察しします。
一方、ブッシュと言えば「好きな本は?」と訊かれて「子供の頃に読んだエリック・カールのVERY HUGNRY CATAPILLAR(『腹ぺこあおむし』)と答えたものの、この本は彼が20代の頃に書かれたのがわかった、というエピソードが伝えられている。(ちなみにこの写真は加工されたトリック写真なんですが、さもありなんということで、それに気づかない/信じない人が多いことで有名な一枚)(Photo by: Chris Boese)

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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