「愛は勝つ!」みたいな熱いスピーチにホレてしまったぞ、キース・オルバーマンに—Keith Olbermann is Yet Another Unmarrying Man I Want to Marry


先週の大統領選挙と同時にカリフォルニア州で行われた住民投票に、同性婚を州法上違法にするProposition 8というのが入っていて、これが可決されたことから今も州内でデモが起こっている。

カリフォルニアと言えば、サンフランシスコなどの都市を始め同性愛者に対してわりと鷹揚な文化的背景があるからよもやと思っていたのだが、蓋を開けてみれば、モルモン教の団体が大枚はたいて信徒に働きかけ、賛成票を集めたのが功を奏してしまったらしい。敬虔なキリスト教の新派、と言えば聞こえはいいが、モルモン教は一夫多妻制を今も許容し、多くの場合、年配の夫が年端もいかない妻を次々娶り、孕ませ、家族を隔離して暮らしているとんでもねーカルトに他ならない。

これに噛み付いたのがキース・オルバーマンというニュースキャスター。彼は元々ESPNやFOXのスポーツキャスターだったのだが、色々と一悶着あって、なぜか今はMSNBCというケーブル局の政治コメンテーターに落ち着いてしまったという不思議な経歴を持つおじさま。毎晩8時からマシンガントークで言いたい放題、ブッシュやマケインをケチョンケチョンに貶し、最後にエドワード・モローをきどっているのかGood night and good luck!という捨て台詞(?)とともに 原稿を丸めてカメラにぶつけるというパフォーマンスがお得意。(Photo by: Stijn Vogels)

特にFOX局のキャスターでネオコンのビル・オライリーに対してライバル意識でもあるのかケンカ腰で、ほとんど毎晩「ビル・オライリーは世界でサイテーのヤツ!」とエコーをかけてがなっている。私もビル・オライリー大嫌いだけど、そこまでやるか?と言いたくなるほど毎晩やってる。

米マスコミ界のゴシップにも通じている私だから(スミマセン、自慢してるわけじゃなく)、こういう下卑なことも披露しちゃうと、オルバーマンおじさまは結婚制度そのものを信じないコメディアンのビル・マーと同類なのかずっと独身で、しかも20歳以上年下のブロンド美女と同棲中。いいご身分じゃねーか。

大統領選挙中は、CNNよりもリベラルだという理由で8時からのオルバーマンとその後に続くレイチェル・マダウの番組を見るのがくせになってしまい、夕べも見ていたら、番組の最後で彼がProp 8に噛み付いていたのを聞いてクラっときてしまった。映像はここから見られます。クラっときた部分を少し訳してみました。

[lingualvideo]cVUecPhQPqY[/lingualvideo]

「個人的には関係ない。私自身はゲイではないし、思いつく限り家族親戚にもゲイはいないし、近しい友人が偏見と闘っているでもない。

だがProp 8に投票、あるいはそれを支持した人に問いたい。おまえに何の関係があるというんだ? 移ろいやすい安っぽい愛であふれたこの世の中に、それでも永遠の愛を誓いたいという人がいるのをなぜおまえがそれを否定する権利がある?

結婚というものを再定義するという声を聞くが、この国では1967年の時点で16もの州が白人と黒人の結婚を認めていなかったのだ。今からこの国を大統領として率いていこうとする人(バラク・オバマのこと)の両親でさえ全米の3分の1の州では結婚を認められなかったのだ。

この世は既に荒涼としている。普通の結婚でさえ離婚率は50%近い。意味のない壁で仕切られ、くだらない理由で人々が対立し、憎しみにあふれたこの世界で、それでも結婚したいという人々がいるのに、おまえの宗教はそれを否定するのか?

おまえの国が、おまえの神が今、選べと言っている。政治も宗教も関係なく、愛とは何かを問うている。愛する同性愛者同士を応援しなくても、助けなくてもいい。ただ引き裂くのはやめろ。知りたくなくても、わからなくてもいい。同じ人間としての気持ちがそこにあるかどうかだ。…」

あえてyouは「おまえ」にしてみました。キースおじちゃまの上から目線にはその方が合うかなと思って。

しかし、ビル・マーしかり、キース・オルバーマンしかり、結婚しない主義の男にホレっぽい私ってやっぱり縁遠いわけね。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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