次期大統領よりもクールに選挙結果という重箱の隅を突ついてみた— Flotsam and Jetsam from the Election 08


世界の津々浦々でバラク・オバマの圧倒的な勝利はニュースになり、既に歴史的裏づけもされ、全く関係のない人にまで感動を呼んでいるようなので、天の邪鬼な私なりにトリビアな部分をカバーしておく。

・民主党の勝利は大統領だけのものにあらず

ほとんど日本では報道されていないかもしれないが、実は同時に上院、下院、州知事の選挙も一部行われており、既にぎりぎり過半数をとっていた民主党が上院で5席、下院で19席を新たに獲得した。よって民主主義の三権分立(社会の教科書に出てきましたね、覚えてますかぁ?)のうち、行政と立法を民主党が牛耳ったことになるわけで、オバマにとっても非常に政策を通しやすくなる。残る心配事は下院議長のナンシー・ペローシが時々困ったチャンになって、保守派にまわったりすること。彼女さえちゃんと説き伏せれば、どんどんリベラルな政策を推し進めることができるわけ。(photo by: Stephen Matthews)
・これほど嫌われているブッシュってどうよ?

私みたいなブッシュ嫌いの人間にとってはホント、苦節の8年でした。ううう。 本人はなんでこれほど支持率(20数%)が下がっているのかもわからないんだろうな。あまりにもブッシュが嫌いなんで、アメリカ国民はとうとう「んじゃ、次はイスラムっぽいミドルネームの黒人にしよーぜ」と一致団結してしまうほど、コイツはひどかったんである。うちのギョーカイでは、大統領は任期が終わるとメモワールを書くのが普通なんだけど、コイツは自分でまともな文章が書けない上(まずはゴーストライター探しから)、どこの出版社もそんなの出したがらないだろ、と言われている。笑っちゃうのは、当確のオバマに電話したときコイツは「It must be an awesome day for you.」と言ったとか。このawesomeという言葉からして、日本語にすれば「すげー」ぐらいの意味で、いい歳こいた大人が使う語彙とは思えないのだが、そこがブッシュらしいというか…。 せめて今のうちにちゃんと荷物まとめておけよ。チェイニー爺さんとも相談してヤバい書類は処分しといた方が身のためだぞ。

・芸能人の時代は終わったのか?
80年代からハリウッドの三流俳優(レーガンのこと)が大統領になったのに始まって、一時期はシュワちゃんがカリフォルニアの州知事になったり、プロレスラーのジェシー・ヴェンチュラがミネソタの州知事におさまったり、日本ほどではないにしろ、セレブが政治に介入するのがうざかった。今回は上院議員に立候補したアル・フランケン(こいつはセレブと言ってもただのコメディアンではなく、ハーバード卒でリベラルなラジオ番組のDJをしていたが)も苦戦しているようである。選挙は人気投票じゃないんだってこと、そろそろ気づいたかな?

・やっぱり田舎者と都会人の溝は深かった
州ごとに赤や青に塗りつぶされていく開票結果だとわかりにくいかもしれないが、実は真っ赤になっている真ん中の州でも、大きな街が入っている選挙区はオバマ支持だったり、青い州でも、選挙区ごとに見ると田舎の部分が赤くなっていたりする。ニューヨーク州でもアップステートと呼ばれる北の方はかなり赤いし、なによりも、ニューヨーク市でもスタッテンアイランドはマケインが勝って赤くなっていたのにはビックラこいた。やーね、田舎者って。ちなみにスタッテンアイランドはNY市で唯一地下鉄が走っておらず、白人ばっかり多くて、まさに都会のレッドネック地帯。近寄らないようにしよっと。

・小浜市の皆さん、お願いだからやめてくれ〜
今回の大統領選は海外からも注目を集めている!ということで、こっちのニュースでまず放映されたのが、オバマの父親の祖国、ケニアで浮かれ踊る人たち。彼が当選したら休日にするというお達しが出ていたとか。このとき、私が一番恐れていたのが小浜市のフラダンスチームのことがバレてしまうのではないかということ。確かにオバマはハワイで育ったかもしれないけど、自ら出て行ってシカゴに移ったわけだし、アメリカ人にとってもオバマ=ハワイの人、という感覚はあまりないんだけどー。何を期待しているのか知らないけど何にでも「あやかる」のもいいかげんにしろっつーの。見ているこっちが恥ずかしいから。とりあえず、今のところ小浜ガールズのことは報道されていないみたいなのでホッとしている。あ、でもチラリと映像は映ってた。お揃いのハワイアンシャツで「お・ば・ま!」とか叫んでるヤツ。

お、インディアナ州の集計結果も確定されてオバマの獲得エレクトレートが349になった。350欲しいといった私の予測に限りなく近いではないか。えっへん。今回の選挙では投票率が高かったことも取りざたされているけど、アメリカの投票率って元々低いので、今回も女性に投票権が与えられた1920年以来の高率とはいいながらやっと60%を超えたぐらい。昨日はみんな、オプラ・ウィンフリーもジェシー・ジャクソンもウルウルしちゃってたけど、これからが大変なんだぞー。(photo by: Kay Ohara)

ということで、しばらく赤も青も見たくないので写真もゴールドと紫にしてみた。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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