ニューヨーク・ブルース—どっちに転んでもアメリカの未来はかなり暗いぞ—Whichever Candidate is Elected, the Future’s So Bleak I Gotta Wear Night-Vision Goggles


大統領選挙まであと10日足らず。どうにかオバマになりそうでちょっとホッとしている反面、こうなったら共和党も捨て身の汚いやり方で卑怯な最後っ屁をかましてくるかもしれず、落ち着かない。

とりあえず長い長い選挙キャンペーンが終わるわけだが、いずれの候補がホワイトハウスに納まるにしろ、この先は大統領一人の力じゃどうにもならないほど問題が山積みなわけで、それだったらマケインにやらせてこのアメリカという大国が落ちるところまでとことん落ちるのを見てみるのも一興、とまでに自暴自棄になったりして、この先に訪れるであろう不況を慮って暗澹とした気持ちになるのであります。

まぁ、ぶっちゃけブルーなんですよ。なんでかって考えてみたら選挙中の全国ニュースで流れる「アメリカの地方の人たち」の姿があまりにもバカなので、ゲンナリしているんだということに気がついたのだ。

私が住んでいるニューヨーク州に限って言えば、共和党がいくらお金を落とそうと、候補ががんばろうと、ラルフ・ネーダーみたいな独立政党の候補が魅力的であろうと、それこそ天地がひっくり返ろうとも「民主党の候補が勝つ」ってことで、州別全国地図では「青」ということになっているので、資金集めのパーティー以外の目的で大統領候補がこの街にやってくることさえないわけ。

それがなぜなのかと言えば、NY州の投票者の平均収入(投票できる人ってのは市民権を持っている人に限定されるので、ここで貧乏な移民の人たちは除外される)が高いってことや、学歴が高い(ま、いい学校がたくさんあるので州外からも学生が来てそのまま就職したりするから)ってことや、宗教別に言えばエヴァンジェリストが少ない(これは貧乏白人御用達の宗派で揃いも揃って共和党を信じてる)ってことや、そもそも大きな都会で暮らすとリベラルな価値観になりやすいってことなんかが挙げられるでしょう。

だから普段ここに暮らしていると、「オラは誰がなんと言ってもマケイン支持たい」「サラ・ペイリンってなんかわかんないけどイイ感じだよねー」「(なんだかんだ言ってオバマって黒人じゃーん、だからヤダ)」(←腹の中ではこう思っていても実際に口に出す人はいないと思われるのでカッコを付けてみました)「ハーバード出てるようなエリート臭いやつに投票なんてできっか!」なんてことを本気で、心の底から宣う人たちに出くわすことはないわけです。それがCNNをつければオハイオでも、ヴァージニアでも、ネバダでも、こんな人たちばっかり。テレビカメラに向かって臆面もなくこんなことを言っちゃうわけです。

しかも、共和党を指示するバカな一般市民の人たちを煽って操っているのは「てめーら、良心ってものがねーのかよ」と罵倒したくなるような悪人ども。名指ししましょうか? ディック・チェイニー、カール・ローヴ、リチャード・アーミタージュ、ラッシュ・リンボウ、お前らのことだよ。このくそバカあんぽんたん。

フランクフルトどころかケンタッキーのクソ田舎に何度も出張させられている都会っ子の友人の愚痴につきあって夕べ考えたことでした。
(Photo by: Dino Abatzidis)

それでは「ブルー」にちなんだ本をいくつか推薦してみます。

Blue Like Jazz: Nonreligious Thoughts on Christian Spirituality

同じキリスト教を信仰するにも、このぐらい思慮深くやってくれるといいんだけど。
Born on a Blue Day: Inside the Extraordinary Mind of an Autistic Savant: A Memoir

『レインマン』に出てくるような、特化した才能を持つ自閉症の人には、普通の風景がこんな風に見えているのね、ってことがわかる1冊。
ぼくには数字が風景に見える

その日本語版。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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