アメリカは孤立主義だからダメと言いながらノーベル文学賞をとったのは「おらが春」のフランス人だという不思議ーIronically, Nobel-Winning France is the One of the More Insular Nations When It Comes to Books
今朝、ノーベル文学賞の発表があった。ここんとこ化学や物理の部門で日本人が立て続けに受賞し(しかし既にアメリカに帰化した南部さんまで頭ごなしに「日本人」扱いするのはいかがなものか)、日本では文学賞は村上春樹に、という期待も高まったようですが(それはこれからもちょっとないんじゃないかな? これについてはまたいずれ)、蓋を開けてみればフランスのル・クレジオ。ノーベル賞って下馬評がことごとく外れるから毎年決まると「おぉっ!」とか「ほぉ〜」って感じなんだけど、今年はそれが「えぇっ?」に近かった。
というのも、発表に先駆けて選考を担当するスウェーデン・アカデミーのホラス・エングダール事務局長がAP通信のインタビューに答えて、大胆な意見をかましていたから。(Photo by: Mastad)
「もちろん力強い文学は大文化圏から生まれるものだが、文学界の中心はヨーロッパであってアメリカではないことは否めない」なぜならアメリカの作家は「自分たちの大衆文化にどっぷり浸かりすぎ」だから。
「アメリカは孤立しすぎ。翻訳もの読まず、世界と対話していない。その無知が足枷となっている」
言ってくれますねぇ。もちろんこっちの出版業界はこのコメントに対して非難ゴーゴー。「プルースト、ジョイス、ナボコフらを無視してきてそれはないだろ」と怒っているのはニューヨーカー誌のデイヴィッド・レムニック編集長。
いや、アメリカ人もノーベル文学賞とってないわけじゃない。スタインベックとかヘミングウェイとか、最近ではトニ・モリソンが93年に受賞しているし。これからもフィリップ・ロス、ドン・デリーロ、ジョン・アップダイク、トーマス・ピンチョンなんて可能性ありじゃない?
だけど、私が「えぇっ?」と思ったのには、少し違うわけがある。そんなことを言いながら、選ばれたのがフランスのジャンマリ・ギュスターブ・ル・クレジオ。彼は南米やヨーロッパも渡り歩いていて「国際人」という感じはするけれど、フランスって、ヨーロッパの他の国と比べても独特の読書テイストがあるというか、世界の潮流に背を向けるような天の邪鬼的なところがあるんだよね。
上手く説明しにくいけど、例えばヨーロッパの他の国でも『ハリー・ポッター』や『ダ・ヴィンチ・コード』がメチャクチャ売れてても、フランスではそこそこ。ヨーロッパ各国のベストセラーリストを見ても同じ本がちらほら見受けられるのに対し、Amazon.frを覗くと、見たことも聞いたこともないタイトルが並んでいる。英語圏じゃ今イチの小川洋子が大好き…等々、私の理由漬けはこんなところだけど、ぜーったいフランスって「自分たちの文化がサイコー。フランス人の好みが一番」って思ってる。
今もちょっとベストセラーリストを見てみると…ケン・フォレットが入ってる。『アンネ・フランクの日記』にサガンの『悲しみよこんにちは』って、新しい本は読まないの? あ、でも「ハリポタ」は好きみたいですね。レヴィーが入ってるのは納得。で、エリザベス・ジョージが好きでスノッブを名乗るかぁ? ステファニー・メイヤーがいるってことは吸血鬼ものも好きなんだ…。???
とまぁ、こんな風につかみどころがなくて、わけわかんないのがフランス人なのでした。おフランスの好みが分からない私はやっぱりアメリカンな感覚に冒されているのかもしれない。反省。でもル・クレジオ読もうにもLe Desertとか、『調書』って英語で出ていないじゃん。私はフランス語、数が40になったところでコケたし。









