わかってはいたけど、やっぱり悲しいポリティカリー・インコレクトの終焉ーNot, totally unpredicted, but still I miss Bill Maher already

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わかってはいたけど、やっぱり悲しいポリティカリー・インコレクトの終焉ーNot, totally unpredicted, but still I miss Bill Maher alreadyBooks and the City

ぐわ〜ん。ショック。私が欠かさず毎晩寝る前に見ているビル・マーの番組が今年いっぱいで終了してしまうらしい。 Politically Incorrectというこの番組、日本人で見ている人はあまりいないようなので(ナッツの編集人ぐらいかな?)説明すると、基本的にはコメディアンのビル・マーが、政界、学界、芸能界、ありとあらゆる分野の著名人を4人ゲストに迎えて、折々の時事問題をテーマに討論するもの。どこまでもクソ真面目なニュース番組のディベートと違って、そこに思いきりパンチの効いたジョークが飛び交うのが特徴。

ゲストに招かれる芸能人の顔ぶれも、モデルなのに異様に頭のキレるおねーさまだったり、インテリをきどる俳優が実は偏見のかたまりだったり、意外な素顔をさらしてしまう。ホストのビル・マーが思いっきりリベラルなので、共和党系のインテリは立場が悪い。コメディアンでもジョークばかり飛ばして、話の内容がないと思いきり白ける。何よりも、「ドラッグはよくない」「法律は守るべき」みたいな、中身のない正論をふりかざしてもスタジオの観客からブーイングの嵐が巻き起こり、ビル・マーにコテンパンにやられるだけ、というのが痛快。頭が柔軟で、機転が効いて、ピリッと辛口のジョークを瞬時に飛ばせるゲストが賢く見えるのが、このポリティカリー・インコレクトという番組のだいご味。

とはいえ、三大ネットワークのひとつで、親会社がミッキーマウスのディズニーという、ABC局と、過激発言大好きのビル・マーの仲がしっくりいかないのは前々から分かっていたことだ。特に9月11日以降、「命をかけてビルに突っ込んだイスラム狂信者と、遠くから命中率の悪いミサイルを飛ばしている米軍と、どっちが本当に憶病者か」という発言で、兵士の家族からクレームがついて、大手企業の広告スポンサーが臆して番組から降りたのが致命傷になった。

番組キャンセルのニュースを聞いた視聴者からの反響も大きかったようだが、マー本人はサバサバしている。「ま、いずれこうなることは覚悟していたし、(ネットワークとの関係なんて)結婚と同じようなものでね…」と、結婚制度に悲観的で(そのためだけとは言い切れないが)独身を貫いているビル・マーは番組中に肩をすくめてみせた。

そんなわけで、私は来年の夜から何を観ればいいのか。ちなみに後続番組は、某ケーブル局でMan Showというしょーもないオトコ向け番組のホストが司会を務めるトーク番組だとか。しゃーないから、さっさと寝るか。

ビル・マーの番組を見たことのないアナタは、寝る前にせめて、彼がクビになってから立ち上げたというオフィシャル・サイトを覗いてやってくれい。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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