ジャネット・ジャクソンの乳首問題ーWhat’s all this fuss about a nipple?


今年のスーパーボウルは盛り上がりましたね。結局はニューイングランドがフィールドゴールを決めて優勝。このQB、若いのにただものじゃないかも。ところで、アメリカ人ってサッカーには全然興味なくて、自分の国でワールドカップが開かれてもちっとも盛り上がらないくせに、アメフトはだーい好き。たとえ世界中の人が白けきっていたとしても、アメリカ人はお構いなしにスーパーボウル観戦に浮かれている。いや〜、そんなところにも自己チューなお国柄が滲み出ちゃってますね。私も友人宅に呼ばれて、子供の世話をしながら見とりましたとも。アメフトが好きじゃなくても、コマーシャルやハーフタイム・ショーなど、それなりに楽しめる部分もあるし、誰も真剣に見てなくてもテレビを付けっぱなしにして、家族友人で集まる口実にする。・・・なんだか紅白歌合戦に通じるような年中行事。

私がコマーシャルを楽しみにしているのは、これを見ると、今アメリカでどの産業・企業に勢いがあるのかが一目瞭然だから。とにかくものすごい視聴率が約束されているスーパーボウルのコマーシャルは、30秒スポットが今年は20ミリオンダラー、えっとつまり、20数億円は下らないのだよ。こういう宣伝費がボーンと出せて、しかもそのコマーシャルにCG特殊効果だの、人気ミュージシャン出演だの、さらにお金をかけて製作されるコマーシャルは、アメリカの消費文化の最先端を知るのに欠かせない広告界の金字塔というわけ。

数年前、ITバブルのまっただ中で行われたスーパーボウルでは、ドットコム系の企業のCMが目白押しだったけど、最近はとんと聞かれなくて、代わりにやっぱり車だのファストフード・ジャンクフードだのとアメリカ文化を象徴する商品のCMが多かった。個人的に今年いっちゃん笑えたのは、某スナックのコマーシャル。仲良くベンチに腰掛けていたじーさんとばーさんの夫婦が、孫の一言で、ポテトチップの取り合いをするのだが、おぼつかない足取りで一歩先を行くばーさんの足を、じーさんが杖でひっかけて転ばせ、先におやつに辿りついたかと思われたが、実は転んだばーさんがじーさんの入れ歯を奪っており、勝負あり、ばーさんが突っ伏したままニヤリ、というやつ。

ま、そんなこんなでハーフタイム。P・ディディーやキッド・ロックがハデハデなかっこうで歌い踊り、そしてジャスティン君とジャネット・ジャクソンが絡むように踊っていたクライマックス。え?今もしかしてジャスティン君、ジャネットのオッパイをポロリさせた?という一幕。いっしょに見ていた友人たちも、”Did he just do what I think he did?”(今のもしかしてアレやった?)”Was it Janet’s boob I just saw?”(ジャネットのオッパイ見えなかった?)とまぁ、一瞬のことだったんで、でかいプラズマテレビの画面だったにもかかわらず、みんな顔を見合わせて「???」という反応。「え、でもリル・キムみたいなニップレスしてたと思うよ」という私の一言で「なーんだ」というか、今時テレビで胸出したからってそれが何?マドンナとブリットニーだってレズキスしとったじゃないか、ってな反応でした。

それが次の日からはマスコミで大騒ぎ。視聴者からは非難ごーごー、その日のトップニュースで「ジャネットの乳首が!」という見出しが新聞に並ぶ有様。(で、イラクでは今日何人の兵士が自爆テロの犠牲になったって?)当初はジャネットもジャスティンも「衣装に不備があり…予測しなかった事故が起こりました」などと苦しい言い逃れをしていたが、このハーフタイム・ショーのスポンサー代を出したAOLが金返せ、と言い出した辺りから、事態が一転。ジャネットもテレビ出演して「あれは、最終リハーサルの後に私が提案したことで、皆様にご迷惑をおかけしました」と平謝り。(このときの顔や声が、「私は無実です、子供なんて犯してません」と昔テレビで訴えたマイケル兄ちゃんにそっくりで、なかなか恐かった)

でも、ジャネットッたら長いブランクの後、ちょうどアルバムを出すところで、「オッパイぽろり」がCDを宣伝するための売名行為なのがミエミエ。話題になったと思いきや、来月のグラミー賞からは閉め出されそうになるし、AOLに訴えられそうだし、兄ちゃんが今、裁判で世間様を騒がせているのに妹も何ちゅうことをするんだと、非難ごーごーで四面楚歌。しかし、ジャネットおばさんたら、もういい年して黒い乳首でも晒さなきゃ、売れないのね、あんたも、ということで少し同情するけどさ。思えば、もう何年も前にローリングストーン誌の表紙で、ブラジャー代わりに男の人の手でオッパイ後ろから掴ませた写真で、さんざんハダカは見せてきたんだし、兄ちゃんはさんざん人前で踊りながら股間を掴んできたんだし、ちょっと今回のは情けなさ過ぎるよ、見せる方も、騒ぐ方もさ。

で、翌日、あれはニプレスじゃなくて、ニップルリングだったということが判明。よく写っている写真を見つけましたのでどーぞ。しかし、これはNASAが協力して画像処理でもしたんだろうか? これでCDが売れなかったら、ジャネットちゃん、今度はお万ピーでも披露するかね。(あ、なんか下ネタになってスマン。)

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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