コロンバスサークルにどーん!とオープンした「タイム ・ワーナー・センター」はやっぱりモールーThe new Vertical Shopping Experience that is Time Warner Center IS a mall after all


今日オープンしたばかりのタイム・ワーナー・センターを覗いてきました。いや別に、普段の私は新しくショッピングセンターができたからといって、のこのこ出かけていくほどミーハーじゃないんだけど、オフィスから数ブロックだったし、中にはブティックの他にボーダーズ書店もあるって聞いたし、ここ数週間続いていた寒波がやっと落ち着いたみたいだったから、散歩がてらにちょいと行ってきたんで。(とさんざん言い訳してみる。)

このタイム・ワーナー・センター。ま、六本木ヒルズのようなもの、と思ってもらえればよろしいかと。そういえば、私、昨年オープンしたばかりの六本木ヒルズにも行ったことがあるのだが(これも自分の意志でというわけではない。社内で「日本人離れ」していると後ろ指差され、社長に「いま人気のある新しいものでも見て」社会勉強してこいと言われたわけで。)、このときに感想も同じ、「ふ〜ん」というものに終始しました。

だいたい、ショッピングって好きじゃないんだもん。何が楽しいのかね、あんなもん。欲しいものがあればネットで探してカードで決済、後は家に届けられるのを待てば(ほとんど)何でも手に入るこのご時世に、何が嬉しくて人ごみの中に身を投じ、愛想の悪い店員が相手してくれるのを待ち(日本は違うけど)、レジに並ばにゃならんのか。

そしてその「ふ〜ん」という感想だけど、六本木ヒルズの場合、日本ではお手軽なレジャー施設といえば、テーマパーク風にここまで人工的なものを作らないと、お客様は喜んでくれないのね、っていうのと、もう10年以上も不況が続いて、私が帰る度になんだかショボくなっていく気がする東京の街並みだから、自然とこういうピッカピカの新しいものができるのが嬉しいのかもしれないなぁ、という気持ちが半々、といったところ。

で、今回のタイム・ワーナー・センターも然り。ピッカピカなのはいいんだけど、だから何?所詮はショッピングモールじゃん。一番おかしいのは、この事業に関わった人たちが皆かたくなに「モール」という言葉を使うのを拒否しているってこと。Vertical shopping experience(直立型買い物体験)だってさ。ちゃんちゃらもんだぜ。というのも、アメリカでは「モール」というのは、極めて田舎くさいイメージがあるからなのだ。

モールってのは、だだっ広い郊外に作られていて、集まる人も田舎から車を飛ばしてきた人ばっかりで、週末をギャップのTシャツやフードコートのファストフードなんかで時間をつぶすのは、教養も収入もないイナカッペ、と相場が決まっている。その証拠にアメリカで一番大きいモールは、ミネソタ州の郊外にある。まちがってもロスやNYのど真ん中ではない。ちなみにここマンハッタンにも「モールもどき」がいくつかあるが、ヘラルドスクエアのモールはショボくてゴーストタウンのようだし、サウスストリート・シーポートのモールには観光客以外誰もいないし、一番地の利がいいトランプ・タワーだって、地元っ子は行った事もない人が大半だ。

ということで、足を踏み入れてみたタイム・ワーナー・センターは、初日だからこそニューヨーカーも来ているものの、こりゃそのうち観光客しか来なくなるな、という印象。地元の人は、エレベーターで上階の高級レストランに直行するか、地下の自然食品スーパーマーケットで買い物するだけになること、請け合い。でも、ブルームバーグ市長もオープニング・セレモニーで言っていたけど、2001年9月11日以降、こうやってピッカピカの新しい建物ができると、ニューヨークが再生・復興しているのがわかるから、嬉しいんだってさ。それじゃ六本木ヒルズと同じじゃないか。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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