ニューヨークで大量発生しているのは「負け犬」どころか「猛獣」だと思う今日この頃ーSingle, kidless women in their 30s are beyond dogs and now are beasts of burden?

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ニューヨークで大量発生しているのは「負け犬」どころか「猛獣」だと思う今日この頃ーSingle, kidless women in their 30s are beyond dogs and now are beasts of burden?Books and the City

去年の暮れ、成田に向かうバスの中で、エッセイスト酒井順子の「負け犬の遠吠え」を読んでいたら、あまりにも自分に当てはまることが多かったので、車内で爆笑、成田空港のゲートでも笑い声を挙げて読み続けていたので、おそらく周りの失笑を買っていたと思う。その時から、そっか、私は「負け犬」だったんだぁ、と月を見上げては「わおわお、わお〜ん!」と遠吠えを挙げたい気分になっていた。こっちに帰ってからも、周りの女友達を捕まえては「この本、面白いよう。もうサイコー」と吹聴してまわったので、今その本は、着々とニューヨークで読者を増やしつつある。本の中でも、「負け犬の3大叙事詩」としてマンハッタンを舞台にした「セックス&ザ・シティ」が挙げられていることでもわかるとおり、このニューヨークでも30代・未婚・子供のいない、つまり、普通の家庭を持たない(持てない)負け犬アメリカンが大量繁殖しており、我が同胞のジャパニーズ負け犬も、これまた大勢いるのである。

そもそも、自ら進んで外国で仕事をし、そこで暮らすという選択をすること自体、「いや〜ん、こっちの方が面白そう」とミーハーに生きてしまう負け犬的要素を持っていることの現れであり、私の周りには、シングルのままバリバリ働いて今に至った負け犬がうじゃうじゃしていて、恐ろしいくらいだ。そしてアメリカには、社交の場にはパートナーを連れていくのがトーゼン、という「つがい文化」があるため、負け犬たちへの風当たりはかなり厳しいものがあるのもまた事実だ。だけど、駐在員をのぞけば(彼らはまず仕事があってこっちに来ているわけだから)、ニューヨークに来て仕事を見つけて働いていますっていうのは、圧倒的に女性が多い。バリバリやってます、なんてのはさらにシングル女性が多い。

話は変わって、先日ひさしぶりに某新聞社のT氏と昼メシを食ったのだが、なんだか最近とみに大人になったというか、ライター志望の若者のメンターとして大勢のインターンを引き連れているT氏も同じ様なことを言っていた。つまり、インターンとして働きたいライター志望の若い人を募集すると、ほとんど女性しか来ない、という現実だ。たまに男もいるらしいのだが、中には「インターンに応募したくてお電話しました。時間がありましたら連絡下さい、ガチャ」とまぁ、自分の連絡先も言わずにメッセージを残したヤツもいた、という話で笑っていたんだが、箸にも棒にも引っかからないような「男の子」に比べて、目的意識があって、しっかりしていて、頑張って仕事を見つけよう、という殊勝な若者は「女の子ばーっかり」という事態になっているということだ。これはウチの会社で中途採用社員(っていうより何の経験もない新卒を雇ってイチから仕事を教えている余裕はない、ってこともあるんだけど)を募集したときも、やっぱり圧倒的に女性が多かったらしい。

もう一つ話は変わって、ニューヨークにいる男性(年齢問わず)からよく聞くのは「こっちにいる女性ってコワイ」というコメントだ。ニューヨークにいる仕事バリバリ系の女性は往々にして、声がでかく、ハキハキとしたしゃべり方で、自分の意見をしっかり主張し、大食いで、酒飲み、という共通項がある。そのぐらいじゃないと、厳しいこの街ではサバイバーになれないからなのだが、男性陣は日本で、遠慮がちで、控えめ、おとなしく、ちょっと天然の入った女性を大勢見慣れているせいか、負け犬系は苦手らしい。日本の負け犬女性の方がまだかわいらしい人が多い、と豪語する輩もいる。わしらは「猛獣」かい。

で、話をT氏に戻そう。彼はこう言う。これからの日系企業の命運は、いかにニューヨークで現地採用の女性たちに仕事を任せ、彼女たちの能力を活かせるかどうかにかかっている、と。私も同意見だ。9-11のテロ事件後、日本の企業はどんどん駐在員たちを帰国させ、事務所を閉鎖している。今、ニューヨークで威勢がいいのは、こういった女性を上手く束ねて、仕事をさせている一握りの企業だ。つまり「猛獣使い」になれるかどうかにかかっているというわけですな。

なのに、日本の会社の中には、英語も堪能だったり、こっちの大学院を出ていたりと、いかにも仕事ができそうな現地雇いの女性を抱えながら、駐在員の秘書程度の仕事しかさせないところが多すぎる。要するに猛獣を檻に閉じこめているわけですな。でも猛獣だって、ちゃんとムチ(適切な指導)とアメ(NYでそこそこの生活ができる給料、待遇、権限)を与えれば、人がアッと驚くような芸(いい仕事)をするわけですよ。負け犬女性はけっこう人に喜んでもらいたがっている素直な性格ですからね。猛獣が芸をするとなったら、さらに客は集まる(会社の利益を上げられる)でしょうに。惜しいことです。

ま、惜しいで済めばいいけど、猛獣をずっと檻の中に閉じこめておくとどうなるか? ストレスが溜まって飼い主を食い殺すことになりかねないのでは?と思う。ほら、実際にそんな事件があったじゃないですか。ラスベガスでホワイトタイガーに芸をさせていた往年のゲイのおじさんたちの1人が、ショーの最中に頭をかじられちゃったっていう。(ジーグフリード&ロイは関係ないか)

その一方として、一部の男性が猛獣たちを搾取している例として挙げるならば、○タショーの「アメ・ドリ」とか、US○ロントラインとか、村○隆のキキなんたら辺りでしょうか。特に私、あのアニメチックなアートは嫌いなんで、この際、はっきり書かせてもらいます。今、ソーホーの画廊で日本の女の子アーティストのグループ展を開いたりして「次世代の育成もやってまーす」みたいなスタンスで売っているけど、君んとこ、給料低すぎ。女性社員の使い方、荒すぎ。そのうち喉笛を掻き切られないことを祈ります。ガオー。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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