ゲイのお兄ちゃん5人組にアメリカ中の男をリメークして欲しいかもーWishing Fab 5 would make over the entire population, attitudes and all

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ゲイのお兄ちゃん5人組にアメリカ中の男をリメークして欲しいかもーWishing Fab 5 would make over the entire population, attitudes and allBooks and the City

基本的にニュースとドキュメンタリー以外のテレビはあまり観ないのだが、そんな私が今ハマりにハマっている番組がある。アート系ケーブルチャンネルのBravo局で毎週火曜日10時から放映されている「Queer Eye for the Straight Guy」というヤツ。再放送してても、ついつい観ちゃうし、ごていねいに毎回録画も欠かさない。挙げ句の果てには、会う人ごとに「面白いから、観てみー」とビデオを押しつける始末。ウェブページも面白いので高速回線持ってる人にはお薦め。

番組の内容は至ってシンプル。日本でも「ビューティー・コロシアム」という番組で、冴えない女の子を徹底改造して、キレイになったところで皆で「ウォーッ」と驚くのがあるが、QESG(何でも4文字のカタカナにしてしまう日本語の世界だが、「クィアスト」じゃあ言いにくいし、何かいい言葉ないかな)では、毎回冴えないストレートの男性を、5人のゲイの男たちが寄ってたかってイイ男にする、というもの。ファッション担当、身だしなみ担当、インテリア担当、作法・文化担当、グルメ担当の5人がそれぞれかなり個性的だし、餌食となる男性が目を白黒させてとまどっているのがメチャ笑える。

ゲイといっても、ファッション担当のカーソン君(一番笑えるおスギとピー子の様なキャラ)を除いては、あまり「おねぇ」が入っているわけではないが、ゲイのメッカ、チェルシーに住んでいたことのある私の「ゲイダー」(男性がゲイかどうかを判断する体内レーダー)にかかれば、「いちもくリョーゼン」な人たちなんである。改造ターゲットをNY市内で引き回してショッピングに行くのだが、そのお店もチェルシー界隈が多く、うちの近所のお店が出てくるところも興味深い。

毎回、生け贄(?)となる男性は、皆一様にファッションセンスのフの字もなく、掃除をしないアパートは散らかり汚れ放題、体型も中年太り街道まっしぐら、そしてさらに驚くのは、ネクタイの締め方も知らなかったり、ヒゲの剃り方さえおぼつかない輩がほとんどなのである。それでけっこう可愛い奥さんやガールフレンドがいるのが不思議なぐらいだ。この番組に出るにもそれぞれの事情があって、奥さんの誕生日を何年も続けて忘れていたり、同棲したいと思っているのに言い出せなかったり、お互いの両親を引き合わせるのにキッカケが掴めなかったりと、まぁ、情けないことこの上ない。その男性相手に優しく手取り足取り(時には抱きついたりもしながら)「ファブ・ファイブ(Fab 5)(要するにfabulous(ステキ!)な5人というわけ)」と名乗る5人組のオニーサマが、女性にとって「イイ男」になるにはどうすればいいのか、指南してくれるという内容。

で、「この番組、面白いんだよう」と言うだけではコラムにもなりゃしないのだろうだが、ここに私が今までしつこく繰り返してきた「アメリカ男のダサさ」に文化の裏付けのような奥の深いものを感じるわけだ。なんてったって、この国では「男の鑑」「国民的ヒーロー」は、(男の美学を追究した)ゲイリー・クーパーでもなく、(アメカジの真髄)ジェームス・ディーンでもなく、結局はジョン・ウェインなんだよね。正義感はあるけれど、身だしなみにはこだわらず、鉄砲振り回して女子供を守ることはできても、お洒落には程遠く、誰よりも強いんだけど、お腹の周りの贅肉が目立つヤツ。

まぁ、お洒落じゃないというのが国民性だというのなら、それも仕方のないことかもしれないが、問題はアメリカがそのストレートさ、要するに「マチズモ」を世界に押しつけていることだろう。飛躍した論理だと思うかもしれないが、アメリカではまだまだホモは異端。おカマだというだけで、最近までは南部の州で家でアナルセックスするのも違法だったし、未だに結婚は認められていないし、大統領にはなれないし(そういう法律があるわけではないが、どう考えても当選できない)、ホモセクシャルだというだけで、時折りリンチに遭って殺されたりもする。他の人の国の歴史や文化や事情を何一つ理解しようとしないで、自分たちのやり方が正しいのだと信じ込み、力ずくで言うことを聞かせる。

一方で、ゲイのオニーサマ・オネーサマがオープンに暮らせて、それなりに社会的地位を築いているニューヨークは、西のサンフランシスコと並んで、数少ないゲイのパラダイス。ニューヨークではファッション、ブロードウェイの(大道具以外の)裏方、アート、そして出版も含めて(これは常日頃私が「出会いのない業界なんだよー」と文句垂れていることからも分かるだろう)そこに働く男性はゲイの人が圧倒的に多い。反対にストレートの男性が多い業界といえば、政治、銀行、証券、商社、製造業など、「色気のない」お堅い産業。メインストリームはストレートで、そこから外れるものはゲイ、と相場が決まっている。

だからストレートで、リパブリカンで、政治的な力を持つアメリカ人は、一様にダサい。お洒落心なんて微塵もない、ゆとりの無さ。自分と違う人たちを「異端」と決めつける傲慢さ。こういうのが実権を握っている間はアメリカは「ダサい国」であり続けるだろう。最近のQESGのエピソードで「One straight man down, 100 million to go.(リメーク一丁上がり、残りあと1億人だけ)」というジョークがあったが、できることならマチズモなその態度も含めて、本当にアメリカ人の男性をみんな改造してもらえたら、と思う今日この頃だ。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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