なぜニューヨークにはイイ男が少ないように思えるかが、ロンドンに行ってみてわかったという話ーWhy there seems to be more eligible men in London than in New York—now revealed!

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なぜニューヨークにはイイ男が少ないように思えるかが、ロンドンに行ってみてわかったという話ーWhy there seems to be more eligible men in London than in New York—now revealed!Books and the City

もう1回だけロンドンの話をしようと思う。今回、あらためて何故ニューヨーク(及びアメリカ)にはイイ(独身の)男がほっとんどいないように思えるのかがわかった気がした。これはなにも、私だけの意見ではない。日本人に限らず、この大都会に住む女性は口を揃えて文句をタレていることである。「There is no eligible men, I mean none!」ってね。その理由としてニューヨークの女性は異常に理想が高いからとか、ゲイ人口比が高いからとか、色々言われているが、ロンドンの街を歩いて、それが何故なのかわかった気がした。頭の上でピッカー!と300ワット電球が灯った気がした。

ロンドンの街には、普通に、そこそこに、カジュアルな大人のお洒落をしている男性が、あっちにもこっちにも歩いていたのである。

ピカデリーサーカスにだって、ビクトリア駅にだって、郊外のイーリングの町にだって「後は白髪になってステッキを持った立派な英国紳士になるのを待つだけ」ってなごくごくフツーのオトナの男性がいたんである。私の個人的な好みとしては、「ハリー・ポッター」役のダニエル・ラドクリフ君をオトナにしたような(いくら何でも子供は趣味じゃない)、髪はダーク、彫りの深い、色白で端正な、それで銀ブチかべっこうブチの眼鏡が似合うタイプが好きな私としては、「あら、イイ男」「あ、こっちにもナカナカの男」「おや、そこを行くお方も私の好み」と、ロンドンの街は私にとって目の保養どころか、開いた口からヨダレが垂れそうな男性ヘブンだったのである。

これは「目からウロコ」ものだった。同時に、なぜ今まで自分を含め大勢の同胞が「イイ男はいねがー」「いねーな、チクショー」となまはげのようにマンハッタンの街を歩いていたかがわかった。アメリカ人の男性が「カジュアル」なかっこうをすると、ジーンズにスニーカー、そして野球帽という三種の神器がどうしても揃ってしまう。そして、その3種の神器といえば、アメリカでは高校生がするかっこうと何ら変わりはないのである。これは昼間、銀行だの証券だのという仕事でスーツを着こなす男性でも変わらない。オフの時は、やっぱり高校生に逆戻り。つまりは、だ。ニューヨークでは、20代〜30代の成人男性が街を闊歩していても「オトナのイイ男」からは程遠い身なりをしている、ということになる。だから、わからなかったのよね、気づかなかったのよね。やんきー

いいオトナが、って言いたくなるほどアメリカ人はこの野球帽というやつが好きだ。もちろん、草野球なんてしたことなくても、メジャーリーグのファンじゃなくても被っている。こっちじゃ20代から髪が薄くなる輩もいるからねー。若ハゲを隠すという目的もあるのだろうか。あんなものずっとかぶっていたら、蒸れちゃってよけいハゲるよ、と言いたくなるのだが。とりあえず、確かに野球帽を被っている成人男性はそこかしこにいる。

ところが。「なーんだ、実はケッコウいたんだ」という安堵感もつかぬ間、果たして何歳になってもジーンズにスニーカー、野球帽というカッコウしかしない男とつきあいたいか、という問題が残る。それは、ファッション的には高校生のガキの頃から進歩していないということを意味する。そこまでお洒落というものに関心がないヤツらのために、こっちは何で身だしなみに気を使わなきゃイカンのか、という疑問も残る。ここでいう「ファッショナブル」とは、何もマイケル・コースのとっくりセーターにポール・スミスのツイードジャケット、アルマーニのウールパンツ、グッチの靴、というレベルを要求しているわけではない。J・クルーのとっくりに、ブルックスブラザーズのジャケット、ズボンだってカーキやジーンズじゃなければ何でもオッケーだし、足もともとりあえずナイキやアディダスでなければ、ヨシとしよう。

これほどにまで甘い基準にしたところで、いないのである。ニューヨークにはおしゃれな男がいないというのは、タイム誌に載っていた記事に合わせて以前書いたことがあるが、ニューヨークをしばし離れてみて今回あらためてそれを感じてしまった。地下鉄に揺られながら、目の前の野球帽をかぶったオトコを眺めつつ、ロンドンを懐かしむ私であった。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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