極寒のニューヨークで起こる様々な不思議ーWhat happens to New York city when it’s damn too cold

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ニューヨークでは2003年1月、ここしばらくなかった極寒の冬にみんな震えている。最新のニューヨークの流行りモノといえば「風邪」、これに尽きるだろう。これから仕事や観光でマンハッタンに乗り込もうという果敢な(不運な?)諸君、心しておくように。この寒さ、ハンパじゃないから。(といって人を脅すのが実は大好き。だって最近、犯罪率下がっちゃって「コワイよ」とは言えないんだモン。)

ここまで寒いと、東京が氷河期を迎えたとき、どういうことが起こるのか、参考になるかも知れないので、今ニューヨークで起こっていることを列挙してみよう。

・ファッションも信念も飛んでいく
日頃は薄着で「伊達」を気取るファッショナブルなおゲイ様も、掛け布団にくるまってみました、みたいな長いダウンコートに身を包み、「ミシュリン・マン」状態になってるし、日頃はPETAなどの動物愛護運動に傾倒するモデル崩れのお姉さまも、クローゼットの奥から昔パトロンのパパに貢いでもらった毛皮のコートを引っ張りだしてみました、という具合に、こうなるともう「見てくれ」だの「己の信ずるところ」なんてどうでもよくなる。

とにかく肌を露出させない恰好にしないと、すぐにかじかんで感覚がなくなる。帽子を被らずに長い時間外を歩くと頭痛がして、吐き気を催すことも。(実際これで外を歩いていて、倒れて血まみれで病院にかつぎ込まれた友人がいる。)何しろ、濡れた髪で外を歩くと凍るんだから。マフラーで顔をぐるぐる巻にした「盗賊ルック」にならざるをえないため、知り合いとすれ違っているのか、目出し帽を被ってこれから何か悪いことをしにいく犯罪予定者なのか、わからない。「あれ?今の○○さんかな?」と思っても帽子やマフラーで完全防備しているので、首だけクルリと回して後ろ姿で確かめることもできない。

・街中が粉ふきイモのように真っ白で粉っぽくなる
こっちでは雪が降ると路上で凍らないように、舗道に塩をまく。毎日氷点下という天気が続くと、車体も道路もが塩のせいで白っぽくなる。革靴もちゃんとお手入れしないと、塩ですぐにやられてしまう。コートにもしぶきがかかるとそれがそのまま白っぽく残り、クリーニング代がかさむし、車を持っている人はマメに洗車しないとボディーがさびる。

・ハドソン川が凍る
マンハッタンとの間を往復するフェリーが出なくなり、通勤が大変。すぐ目の前を歩いて渡れそうな距離なのに、延々と混雑するバスに揺られていなくてはならない。道路もこちこちに凍っているので、転んでけがをする人が続出、病院の救急医療室が混雑する。

・水道管が破裂する、火事が増える
ニューヨークの地下水道管は100年以上も前に埋められた古いものが多く、水が凍って膨張するとその部分が破裂する。そしていったん水道管が破裂すると、道路が数ブロックにも渡って浸水し、これがまた凍りつく。浸水の後は安全を確認できるまで、水も、ガスも止められる。また、ガス管から少しずつ漏れていたガスも、道路が凍ると大気中に逃げられなくなるので地下に溜まって、引火して大爆発が起こることもある。水やガスも止められたり、ヒーターが壊れるとコンロやロウソクで暖をとろうとするので、その結果、火事が増える。

・電車が止まる
信号機が寒さのためにショートし、電車が動かなくなる。アスファルトも凍っては解ける、を繰り返しているうちに脆くなって陥没し、「ポットホール」という巨大な穴が道路にぽこぽこ開く。

それでは最後に出張予定のビジネスマン、観光客の皆様へのアドバイスなど。

・外はこんな風にメチャクチャ寒いけど、建物の中は暖かいので、セーターを重ね着するのはあまりお薦めできない。室内で汗をかいたりすると、今度は外に出たときにいっぺんに風邪をひく。一番良いのは、できるだけ分厚い外套をはおり、中は薄着にすること。毛皮のコートやくるぶしまであるダウンジャケットが理想。そんなの日本じゃ着ないから持っていない、という人は、とりあえずニューヨークに到着次第、メイシーズだのブルーミングデールズといったデパートに飛び込んで、一番暖かそうなジャケットを買ってしまうことをお薦めする。今ならどこでもセールしてるし。

・ホテルのカーペットは化学繊維の安物が多いので、静電気がすごい。応急処置としてバスタブにお湯を張り、バスルームのドアを開けておくのがお薦め。長期滞在ならドラッグストアで一番安いvaporizer(同じ加湿器でもhumidifierはもう少しお値段が高め)を買ってしまおう。20ドルぐらいからちゃちいのを売っているから。じゃないと喉をやられるし、お肌にも悪いよ。

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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