癒されている場合じゃないんじゃないか、もう、ってな2002年ーSituation might be too dire to be merely healing in 2002

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癒されている場合じゃないんじゃないか、もう、ってな2002年ーSituation might be too dire to be merely healing in 2002Books and the City

今年もそろそろもう終わり。各マスコミでも、今年を振り返っての重大ニュース特集をやっている。ちなみにCNNでは、次のようになっている。

1. Crisis in Iraq—大量殺人兵器があるのないので国連も巻き込んでスッタモンダするイラク問題、いよいよ戦争になるのか?
2. Sniper attacks—ワシントン郊外で起きた連続狙撃事件で10人が死亡、犯人は元兵士とその義理の息子
3. Terror reigns—パレスチナ過激派によるイスラエルでの自爆、チェチェン過激派によるモスクワの劇場襲撃、バリ島でのディスコ爆破事件など世界的にテロが蔓延
4. War in Afghanistan—いまだ続くアフガニスタンの抵抗勢力と復興への長い道のり
5. Corporate scandals—エンロン、ワールドコム、イムクローンなどでの株価操作に絡む会計報告操作やインサイダー取引が次々に発覚
6. GOP rallies in midterm elections—上院選挙でとうとう共和党が過半数を占める
7. The economy rocks and rolls—アメリカもとうとう不況に突入
8. Catholic sex scandal—カソリック教会の神父が若い信者と性交渉に及び、対処しなかったため、とうとうローマ法王まで批判の矢面に
9. Homeland security—空港警備や各施設での保安のため、連邦政府に新たに国家安全省を設置
10. 9/11 anniversary—世界貿易センター、ペンタゴンでの同時テロ事件から早1年

日本国内のニュースでは、ちなみに読売新聞の読者はこんな風に投票している。

1. ノーベル物理学賞に小柴昌俊さん、化学賞には田中耕一さん
2. 史上初の日朝首脳会談、金総書記「拉致」認め、被害者5人帰国
3. サッカーW杯、初の日韓共催で日本ベスト16
4. 巨人が日本一、松井秀喜選手大リーグへ
5.  鈴木宗男衆院議員をあっせん収賄容疑で逮捕
6. 牛肉「偽装」事件相次ぐ
7. 高円宮さま、ご逝去
8. 秘書給与流用疑惑で辻元清美、田中真紀子両衆院議員が辞職
9. 日本総領事館内で中国武装警察が亡命者連行
10. 小泉首相が田中真紀子外相を更迭

だが、NYでの日本語放送(これがフジTV系というのも問題なのだろうが)を見る限り、放送時間が一番長かったのは「ヒゲアザラシのタマちゃん」と「ノーベル賞受賞の田中さん」だ。この2つに共通するのは、世知辛い世の中にあって「癒し系」という言葉が頻繁に使われたということ。

しかし、ひとこと言わせてもらいたい。「癒されている場合か」と。

普段は都会の川にいるはずのないアザラシが東京湾から入り込んできた、というニュースは一見、何の害もなく微笑ましいものに思えるが、本当にそうなのか。アザラシが生きていけるからといって、多摩川や帷子川がPCBだのダイオキシンだのが全くないきれいな河川だというわけではあるまい。さらに、アザラシが迷い込んだというのはタダの偶然なのか、何か自然のバランスが崩れているという兆候ではないのか。

一説には世界各国の潜水艦のレーダーがますます強いものになったせいで、体内の方向探知能力が侵され、生息地ではないところに向かっていたり、陸に打ち上げられているイルカやクジラが増えているとも聞く。

まあ、どんなに有名になったところで、アザラシのタマちゃんはイヤになったら、いつでも海に帰ればいいのだろうが、世間のさらし者になってしまって、さらにかわいそうだったのが田中耕一さんだ。ノーベル化学賞をとっておめでとう、とお祝いするところまではいいが、そんなに根ほり葉ほり、本人の行動を公私に渡って子細に報道してプライバシーの侵害以外の何になるというのか?

やれ授賞式でダンスをしなかったとか、食べ物は何が好きだとか、どんな小学生だったとか、逐一調べ上げてどうなるのか? はにかんで困ったような顔をマイクに向ける田中さんを見ると、ほのぼのするらしいのだが、それって人の嫌がることをやって面白がる小学生とどこが違うというのか?

ニュースのウラを読むのが好きな私としては、これでしばらく日本からノーベル賞受賞者は出ないな、という予感がした。物理学賞の小柴教授にしても、田中さんの研究にしても、バブル景気で日本に経済的余力があった時の投資が実を結んだと言えるからだ。うなるほどお金があったあの頃は、ロックフェラーセンターを買ってみたり、ゴルフリゾートを作ってみたり、バカな使い方をしているなと笑っていたが、そのお陰で、地道なR&Dにもお金がまわっていたのだ。

というわけで、あなたにとっては2002年はどういう年だったのだろう? そして2003年はどうなるのだろう? 私は波瀾万丈のいい年にしたいと思っている。Let’s have a happy, and eventful 2003.

written by Lingual

ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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