なぜ、ニューヨーク在住の日本人女性にブスが多いという男がいるのかーA case for immature Japanese men who can’t appreciate New York beauty
「ニューヨークにいる日本人の女はブスが多い」 というコメントをたまに聞く。もちろん、こんな失礼なことを人前で大っぴらに口に出す勇気のある御仁はいなくて、たいていは「ヤフー!」や「2ちゃんねる」の掲示版なんかで吐き捨てるように書き込んでいく。何故なのか? この街には本当に容姿に恵まれない日本人女性が多いのか。今回はその種明かしといこうか。
そもそも「ブス宣言」をするのはどういうヤツなのか? おそらく、駐在員や留学生として一定期間ニューヨークに暮らし、こっちに滞在する複数の日本人女性に出合う機会のあった男。(絶対に女じゃないとは言い切れないが。)インターネットの掲示板に書き込みをするのだから、年齢的には十代から三十代ぐらいか。あまり年配の人はいないだろう。なぜなら「若い」と判断するのにはもう一つ理由がある。女性を容姿(だけ)で判断できる、と思っているのだから、まだまだ青二才ということだ。
次の問題は、どういう基準で「ブス」と判断しているのか? つまり、女性を「ブス」「美人」と分けるからには、どういう女性を美しい、可愛い、綺麗だと思っているのか? ネットおたくの若い男なのだから、どちらかといえば実際の女性経験は少ない方だろう。ということは彼らの判断材料はテレビ、雑誌、インターネットに出てくる女性。つまりはアイドル、モデル、女優の類。
もお娘でも、米倉リョー子でも、松嶋ナナ子でもいい。大差はない。要するに、お目目パッチリ、髪は茶髪、お化粧はナチュラル、手足はほっそり、仕草は少女、会話は天然バカ、こんなところがお気に入りなのだろう。(photo by: Nemo’s Great Uncle)
何故、こういう女性はニューヨークに少ないのだろうか。一つ一つ考察してみる。
「お目目パッチリ」— 相変わらず、ハーフだのクオーターだの、西洋人の血が混じったようなバタ臭い顔がカワイイとされる日本。平安時代の昔には「引き目、かぎ鼻」が美人の条件だったのにねえ。女の子も目をパッチリと大きく見せるために、まつ毛パーマだの、二重にするプチ整形だの、涙ぐましいこって。ところが、ニューヨークに限らず、アメリカ人に日本人の人気アイドルを見せるとだいたい「気持ち悪い」という。少女漫画の主人公は何であんなに目がデカイんだ?って聞く。じゃ、アジア人の女性でキレイなのは?って聞くと、ルーシー・ルウとか、ジョーン・チェンとか、こっちでいう「アーモンド型」の一重まぶたの目がキレイだって答え。あと、日本では八重歯がカワイイ、あるいは少なくともブスの条件には入っていないようだが、アメリカで八重歯見せて笑ったりしたら「子供の頃、矯正するお金も教養もなかった人」だと思われるのでご注意を。
「髪は茶髪」— 様々な人種の集まるニューヨークに長くいればいるほど、自分が日本人であることを思い知らされるようになる。生まれつきブロンドの人を見ていると、日本人が揃いも揃って茶髪にしたり、茶髪を超えて「黄土色」に染めているのが情けなくさえなってくる。それは裏を返せば、自分のエスニシティー(民族)に誇りを持つことでもある。長くてストレートは黒髪は、ニューヨークの女性の憧れだ。
「お化粧ナチュラル」— これも日本人女性のたゆまぬ努力には脱帽してしまう。日本で売れる化粧品って基礎化粧品ばっかりだもんね。化粧液だの、下地クリームだの、日焼け防止UVクリームだの、何にもつけてないように見せたり、素肌をきれいにする化粧が基本。メイクはあくまでも顔を小さく、目を大きく、鼻筋をほっそり見せるためのもの。表向きには「な〜んにもしてないのよ。私のこの美しさは天然よ。実際の年齢よりずっと若く見えるのよ」と男をだますわけだ。アメリカにいるうちにメイクが変わったという日本人女性は多い。面倒くさくて本当に何にもつけない「すっぴん派」と、どうせメイクするなら、目の周りにこってり黒い線を入れ、リップは真っ赤っかという「歌舞伎派」という二極化の傾向にある。
「手足ほっそり」 — アメリカ滞在歴が長い日本人女性が口を揃えて言うのは「日本の女の子って、ガリガリで気持ち悪い」というもの。そりゃ、アメリカは基本的にマリリン・モンローがセックスシンボルの国だし、今も一番セクシーとされるのはジェニファー・ロペズとか、ブリットニー・スピアーズとか、「出るところは出ている(あるいは入れている)」グラマー系が基本。アメリカ人の男にとって、胸もお尻もぺっちゃんこな少女体型は全然そそられないらしい。
「仕草は少女」— まあ、日本人の男の人もガリガリ君が多いから、むっちり系の女性はこわいのかもしれない。とりあえず、若くて幼いのが丸。だから叶姉妹のようなアンドロイド系「つくりもの」美人は敬遠される。(ほんとはお相手してほしいのに珍獣扱いされている。)日本ではマドンナのように年を取りながら自分の美学で体を磨くのはペケらしい。だからって、モー娘かい。ロリコンはアメリカじゃ犯罪だよ。アメリカ社会、そして特に競争の厳しいニューヨークで生きていくには、「ぶりっ子」なんてのはもってのほか、大人の女性がすることではない。
「会話は天然バカ」— ぶりっ子同様、ニューヨークで女一人生きていこうと思ったら、ひたすら賢くならなければいけない。社会に出たら、騙されないように、見くびられないように、男と渡り合わなければいけないのだ。誰がバカな振りをしてられようか。日本という井戸を飛び出して、世界という池に跳びこんだんだから、賢くもなるわさ。
というわけで、「ブス発言」をした男どもよ。耳をかっぽじいてよーく聞きなされ。キミの目に「ブス」と映る女性は、キミなんかに「カワイイ」と思ってもらわなくても結構よ、と言っているのである。こうやって日本を離れてニューヨークでまがりなりにも生きているんだから、キミなんかにデートしてもらったり、結婚してもらったりしようなんて気はさらさらないのだ。ニューヨークにいる「パワフルで個性的」な日本人女性が「ブス」としか思えないキミは、さっさと日本に帰りなさい。そしてテレビでもAVビデオでも観ながら、一人で淋しく自己処理してなさい。









