ニューヨーカー誌とペン協会共催の文壇の香り高きイベントが大盛況ーSell-out crowd at a literary event—only in New York?


今日は私の友だちで、Picador(ピカドール)という出版社でエディターをやっているアンバーちゃんに誘われて、文芸誌「ニューヨーカー」とペン協会アメリカ支部主催のThe Power of the Pen: Does Writing Change Anything?と題された朗読会に行ってきた。

会場のタウンホールは、ブロードウェイにほど近い43丁目にあって、周りはギラギラ、テカテカと目まぐるしくネオンが瞬く劇場街の一角。そんな場所で、こんな地味ーなイベントをやるのは、何だか不似合いな気がしていたんだが・・・行ってみたら、入り口の前には長蛇の列! 「チケット余ってませんか〜」とダフ屋まで出没してるし。ミュージカルMamma Mia!より売れてるって感じ?

それに!並んでいたら、こっちで「Out」がペーパーバックになって、じわじわ売れている桐野夏生まで目撃!(彼女も、ペン協会の他のイベントに招待されているそうな。PENのボランティアをしているアンバーちゃんが昨夜、彼女を取り囲むようについてきた編集者様御一行をパーティー会場で案内していたそうだ)

それはさておき、このイベントのゲストがまた豪華なんだよねぇ。『待ち暮らし』のハ・ジンでしょ、(私のお目当ての)マーガレット・アトウッドでしょ、それにペン協会のアメリカ支部の会長をやってるサルマン・ラシュディーに、ジョナサン・フランゼンらが、次々と舞台に上がって「書くことで何かが変わるのか?」というテーマで、自著の一部を朗読したり、スピーチを したり。

特に印象に残ったのは、「何も変わらない」という答えで「テント」というエッセイを読んだアトウッド。

「紙でできた薄っぺらいテントの外は荒涼としてて、暗くて、異様な叫び声に満ちている。不安で、恐くて、無力で、それでも私はありったけの思いをテントの紙に書く。自分のために、愛しい者のために。そう、何も変わらないかもしれない。でも書くこと以外に私に何ができるの?」といった内容。もう拍手喝采よん。

サルマン・ラシュディーのスピーチも良かった。「文学とは、loose cannonのようなもの。誰にもコントロールできなくて、時には思いもかけない破壊力を持つのだ」と。「ろくに字も読まなくなった子どもたちが800ページもの分厚い小説の刊行を心待ちにさせた力を持つ」として「ハリポタ」にも触れたり、「権力に対し、臆することなく真実を突きつける勇気を持つのがインテリ」と故スーザン・ソンタグにも言及。泣かせてくれるねぇ。

上手く翻訳できなくてゴメン。このイベントの模様は近々、週末のBook TVでも放映されるんじゃないかな?といってもローカル局だけど。私も再放送しているのなら、また観たい。

後半、フランゼンの後に、中国生まれでフランス語で書いているというシャン・サという女性作家も出てきたんだけど、何だか鼻っ柱が強そうな雰囲気が漂うビッチーな人でした。(ゴメン、今、中国に対してあまりいい印象ないからさ)

でも一番感激したのは、こういうイベントにも大勢の人が詰めかけて、満杯にしてしまうニューヨークという街にいて良かった!ってことかな。これでチケットが10ドルぽっきり、私はアンバーちゃんのタダ券もらったわけだし。なんという贅沢。

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ニューヨークと東京を往復する文芸エージェント。 日本の著作品を欧米マーケットに売り込むべく孤軍奮闘中。
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